第150話 アケローン

今回向こう岸に渡れるのは13人のみ。


「大和、この戦いはお前の戦いだ、面子はお前が決めろ」


「解った、ならメンバーは先ず俺、久美、朔耶、マルティア、母ちゃん、アイオロス、テーセウス、ネーレウス、ブローマ、シャチー、カーリー、オルペウス、陛下、ナーナ、ルチル、楓だ」


「多いわよ! 13人て言ったでしょ?」


「大丈夫だ! な?ルチル」


「はい! 大丈夫です」


俺は三種神器を纏った、これで13人


「楓と陛下達は岩戸開き要因だ! 戦闘要因は他全員だ」


「旦那! 俺は?」


「悪いがマヒシャの番天印は、複数戦闘用だ、ここで残って、、、ホラな? 絶対こうなると思ったぜ」


またもや大軍が俺達に向かって攻めてくる


「誰もアケローン川の戦闘が一回なんて言わなかったわよ?」


「5000と言った筈だが?」


「そうよ? あの軍勢も5000」


「屁理屈を…………」


「まあ想定内だ、マヒシャ! セーラ、セフィリア、セレスティア! ディケーもテイアー達も、皆留守を頼むぞ!」


「はい!」


「俺達は進むぞ!」


渡し船に乗る、平然と乗り込むパンドラ、13人じゃなかったのか? まあこいつは案内役だから仕方ないか、だが不気味なのはこの船頭だ、言い知れぬ不安感を掻き立てる、頭までスッポリと被った黒いフード付きのコートが不気味さを引き立てる……


向こう岸に近付いて来た

「さて、俺と戦うのはだれだ?」


「やはりそう来たか…………」


アイオロスも感じていたか、なら…………


「俺がやろう、お前達は先に進め」


「おいおい、兄貴、ここは普通俺とかがやって兄貴達を先に進める場面だろ?」


「いや、こいつがアケローン川の守り人なら聞きたい事がある、直ぐに追い付くさ‼ 先に行ってくれ!」


「解った、ここは大和に任せよう、ブローマとやら、行くぞ!」


「健ちゃん? ママは残るわよ?」


「はー……解った、だけど手は出さないと約束してくれ」


「解ったわ~」


嘘だ……まあ俺が圧倒的に勝てば良い事だ


「さて着いたぜ? この俺と戦うのはお前か? 三途の川の渡し賃だ、お前の命でチャラにしてやるぜ」


「残念だがそりゃ無理だ、お前をぶっ殺して踏み倒させて貰うぜ! 行け!」


「兄さん、必ず追い付いて下さいね? 約束です」


「ああ、朔耶、約束だ!」


『ナンナ、ナーナ、ルチル、頼みましたよ? 魔力の補給はイシュタルと私が行います、出し惜しみは無しです、良いですか? その状態で例え相手がゼウスでも、健様が負ける事は絶対に有りません、苦戦するとすれば、それは貴女達に問題が有るのです、健様を思う心の繋がりが弱ければ魔力供給が滞り、武器や防具の最大値が出せなく成ります、特にルチル、貴女の役割は重用ですよ? 貴女の想いが全ての武器や防具の絶対値に成りますからね?』


『はい、ナンナ様、私達が必ず健様をお守致します、そして私達は健様を愛する想いは誰にも負けません‼』


アイオロス達は先に進んだ、ナンナと陛下達が何やら念話で話していたが、俺には解らない、有意の奥山状態では外部との会話は念話でしか出来ないのか…………てか何故ナンナとイシュタルがここに居る!


「貴女達、どうやってここに来たの⁉」


「どうやっても何も、ここは魂の往来は自由の筈、私は自らの分身であるこのナンナに、イシュタルはルチルに入って来たのですが、何か?」


「…………随分んとインチキするのね」


「貴女程では有りませんよ? パンドラさん」


「さて陛下、ナーナ、ルチル、行くぞ!」


『はい!』


「誰と話してんだ?」


「勝利の女神様とさ! 所で先に一つ聞かせろ、お前アケローン河神、カローンだな?」


「よく知っているなー、お前まさか未来人か?」


「その通りだ、所でペイトリオースが来た筈だが通したか?」


「ああ、100年位前だったか、通したぜ? それがどおした?」


「いや、それだけ聞けば充分だ、元凶が読めたぜ、この一連の裏切りはペルセポネーだ!」


「健ちゃん? どう言うこと?」


「テメー何を根拠に、ペルセポネー様は…………は⁉」


「そうだ、ペルセポネーは本来まだハデスの嫁に成っていない筈だ、だがお前は今ペイトリオースを通したと言った。だがお前は本来生者はこの渡し船には乗せない筈だ、そう言う決まりがある筈だ。

ペイトリオースがここに来た理由は伝承ではこうなっている。

ペルセポネーと結婚しようと画策したとな?

本来冥界にはまだ来てない筈のペルセポネーだ、なら何故ペイトリオースがここに来るんだ?

俺はおかしいと思っていた、ハデスがオリュンポスを裏切って何の得がある? ある筈が無い。

ポセイドーンと違いハデスには地上の領土が有る、そして冥界の王として自らハデスは領域をゼウスとポセイドーンと割り振って決めた時に冥界を選んだんだ。今更裏切る事はあり得ない、だがペルセポネーは違う、神話ではペルセポネーは冥界の王ハデスの妻で有り、ゼウスとデーメーテールの子、デーメーテールは掟の神、詰り天界と冥界の両方をある程度思いのままに出切るんだ。

その通り、神話ではハデスに近寄った女を全てペルセポネーは抹殺している。

ペルセポネーは既にハデスをたらしこんでいる…………」


「…………そうかい…………まさかこんな所でバレるとはな…………このままじゃ俺の首があぶねーんだ、悪いがお前には必ずここで死んで貰うぜ?」


「こうなれば話は別よ?健ちゃん、ママが…………」


「手は出さない約束だぜ? 母ちゃん」


「でも~…………」


「大丈夫だ、俺そんなに弱くねーって、母ちゃんも俺が守るよ」


「健ちゃん、ママ嬉しいわ!」


「はー…………行くぞ? 皆」


『早く皆に知らせないといけませんね‼』


「おら行くぞーー!」


俺はもうダッシュしてカローンに切りかかる


ギャイン!


だが流石に神と言われる者だ、俺の一撃に耐えきった


「な! 何だお前、その強さとスピードは!」


「悪いがチンタラ説明している時間が無くてね? もう冥界に居るんだ、後は魂になってゆっくり考えろ」


「ふざけるな! 河神とは言え1柱に数えられるオリュンポスの神だ! お前ごときにやられてたまるか!」


カローンがオールを武器に槍の様に突いて来るが…………


『させません!』


陛下の魔力が盾にドンドン伝わって行く、盾が光輝き


ギャイン!


「馬鹿な‼ この攻撃を全て盾で弾いたのか⁉ その盾はアイギスか?」


「アイギス? そんなちゃちなもんじゃねーよ! 喰らえ!」


『行きます! 最大の魔力! 剣に伝われーー!』


ナーナが鎧からグングンと魔力を険に伝えて行く


『健様! 今です』


「おう! ルチル」


俺は横凪ぎに剣を振るった、強烈な魔力がこもった一降り、驚くほどの凄まじい剣戟だった、オールごとカローンを一撃に仕留めた


「マジでスゲーぜ…………この威力半端じゃねーな…………」


「はー…………疲れました」


元に戻った途端ナーナがぼやく、だが仕方ない、ナーナもイシュタルやナンナから魔力供給があったとしても、相当魔力が吸い上げられている筈だ


「さて、追い付いて早いとこ真犯人の情報を皆に聞かせないとな」


ーーーーーーーーー


アイオロス達


「ケルベロスか…………」


「この塔の番人て所かな?」


「ここは俺がやらして貰いますぜ? 皆は先に進んでくれ!」


「ブローマ、良いのか?」


「兄貴と一緒に追い付くから大丈夫だ!」


「よし! お前に頼もう 俺達は先に進むぞ!」


「良いの? この魔獸強いわよ?」


「ブローマも強いわよ! 心配入らないわパンドラさん!」


「久美の姉さん! 任せてくれ!」


「じゃあ親父、死ぬんじゃねえぞ?」


「父ちゃん頑張ってね?」


「おう! シャチーもカーリーも無茶するんじゃねーぞ! さて、この馬鹿犬、焼いて食ってやるぜ!」


ブローマ対犬の戦闘が開始された

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