第139話 対ドラゴン

少々利用された様な気がするが、今回俺達は北アトランティスの不可侵条約を飲む事にした。

何だかんだ言ってもやはり反乱軍をどうにかしないといけないし、地底に攻め混むのが俺達の目的。

出来る事なら奴等との戦いは避けるべきだ。

それに今の俺の力では神と言われる者達との戦いには勝てない、有意の奥山を使わなければ神処かその一族にさえ遠く及ばないのだ。

恐らくはレプテリアンのドラコ族にも同じだろう、あれはドラゴンだ、場所によってはドラゴンは神とされる…………



南アトランティス神連合軍

総大将軍にはアイオロス、そして右提督には俺、左提督にはナルメルの弟クワルカン。

南アトランティス軍将軍にはナルメルの妹シュトリア、ムー軍大将には久美、副将にはマルティア、

レムリア軍大勝にはアルトレア、そして参謀にはシンラ、ゴスペルと言ったそうそうたるメンバーが揃った。

今回の進軍には王族皇族は参加しない、何故なら不可侵条約を結んだとはいっても完全に信用している訳ではないからだ。

歩調を合わせて北側からは、ティターン族を連れた北アトランティス軍が攻め混む事に成っている、その時の用心の為だ。

陛下達の守りはテーセウスが付いている、何よりもの完璧な用心棒だ。

俺は母ちゃんに頼みたかったのだが…………


「ほらほら健ちゃんワニよ? 大きいわね~、有れ食べられるのかしら?」


「ワニ何ぞ食うな! これからそのワニ退治に行くんだぞ!」


こんな調子だ…………


アトランティスの西側、詰り今の南アメリカ大陸の中心地はボリビアに有る。チチカカ湖の恵みが繁栄を気付いた。

勿論この時代にウユニ塩原は無い。

あれはこの後起きる、ノアの洪水で大陸同士の干渉によるアンデス山脈の隆起で出来た物だ。


「ここから反乱軍の領土に入ります、皆さん起気お付け下さい!」


「いよいよ南アメリカか、アンデス山脈が無いから森林だらけだが、何が来るかわからないな。

クワルカン、お前はレプテリ…………いや、地底人は見たこと有るのか?」


「はい、一度、奇妙な出で立ちでした、指が3本の奴も入れば、6本の奴も居るし、ですが最初は人間と同じ姿をしているので解らないんです」


「魔法で姿を変えているんだ、だがより魔力の強い者には直ぐに見破られる、アプスー様が上皇に姿を変えられて要るが、次元が違う、アプスー様の魔力を越えられる者などこの世にはおらんからな!」


「アイオロスは奴等の事知っているのか?」


「当たり前だ、俺達ティアマト人は幾度となくあの物達と戦っている、と言うよりお前は私と共にエンメルカル時代に何度も奴等と戦って居るのだぞ?」


「サーセン! 全部忘れちまって!」


そんな時だ‼


「敵襲ーーーー! 上空から大軍が此方に近づいて来ます‼」


「ワイバーンです、竜騎士も乗っています‼」


「シンラ! ワルキューレ隊に迎撃させろ! 空を飛んでいる奴を片っ端から叩き落とせと伝えるんだ!」


「解りました!」


ワルキューレ隊は風化輪を着けている、重力制御で空を飛ぶ事も出来る。

そしてドラゴン相手の戦闘を踏まえて空中戦の模擬戦闘も訓練済みだ!


続々と飛び立つワルキューレ隊、そして空中戦に入った。


「ほう! 人間としては素晴らしい戦闘力だ、あれは確かお前とイナンナやナンナの娘達か?」


「…………嫌な事を思いだ出せるなアイオロス…………確かにそうだが……」


「そうか、、、だが如何にお前の娘達と言えど、あれは荷が重いだろう」


「リンドヴルムです!」


「だな! 彼奴は俺が仕留める」


「健ちゃん無理は駄目よ? ママが何時でも行ってあげるからね?」


「母ちゃんに何時までも頼ってる様な男には成りたくねーよ! 見ててくれ!」


俺は一部覚醒状態に成り、翼を生やした。

今までは片翼だったが、成れれば翼を生やすのは簡単だった。

これもイメージだった、詰り最初から俺には翼が両方有るとただ思い込めば良いだけだ、恐らくだが俺の覚醒に足を引っ張っているのは現代知識だ。俺の中に有る膨大な現代知識が解って要るのに、、非現実的だ!、、と思う力が働いてしまい、覚醒を邪魔する。

詰り本当の覚醒に至る道は久美の方が早いだろう。

だから俺は久美の訓練もつけてもらう事にした。


「やっぱ大きさの違う翼より安定するぜ、だが皆白いのに何で俺の翼は黒いんだ?」


まあ、、解っているのだが…………覚醒の力をエロ要素にふんだんに使用しているからだろう…………トランザムとか…………


リンドヴルムに近づいた、大きい、真のドラゴンでは無いのにその大きさにビビル、ワイバーンが子供の竜のようだ。


そしてリンドヴルムが…………


『邪魔をするなら食らうぞ』


「ああ? テメエ人間の言葉が解るのか?」


『我はワイバーンの様な矮小なドラコニアンでは無い、知恵を持ち人にもなる事が出来る』


「それは人って言わねえんだよ! トカゲ野郎」


『死の制裁をくれてやろう!』


「ブレスか! アイン.ソフ」


俺はドラゴンの背後に飛んだ


『何⁉ 貴様人間か?』


「人間だよ、ただし! ティアマトのな! 死ねトカゲ野郎‼」


草薙の剣の斬檄を飛ばし、リンドヴルムの首を落とす、と思ったら食い込んだだけだった…………


ギャーーーーォーーーー!


痛みで苦しみもがくリンドヴルム


「ギャーギャー喚くな! テメエが固ーから一発で楽になれねえんだよ! 直接切ってやる」


アイン.ソフ.オウル!


俺はドラゴンの首もとに光りを発し飛んだ、当然目眩ましの為だ。


「死ね!」


『貴様ーーー!』


ザシュ‼


ドラゴンの首が落ちた、そしてワルキューレ隊の方を見ると、善戦している。


「セーラ! ワイバーンだからブレスは吐かないと思うが一応気お付けろ! 皆に伝えろ‼」


「解りました、皆ブレスに気お付けなさい!」


そして竜騎士が右手をホルダーに沿えた


「プラズマガンだ! 中和容易だ!」


「中和開始~!」


魔法特化隊がプラズマイオンを照射した、竜騎士が放ったプラズマガンが霧散した。


『何だ今のは⁉』


「知る必要はねえ! 落ちろ‼」


俺はワイバーンを切り裂き、竜騎士を落とした。

完全にトカゲ人間だ。

魔物が進化を果たしたレプテリアン、遺伝子操作のな残りか…………

ワルキューレ隊がワイバーンを次々と落とし、竜騎士達はその悉くが落下している、だが身体能力の高いレプテリアンは下で戦闘状態に入っていた。

まあ下にはアイオロス率いる海王の軍も居る、問題ないだろう、俺達はワイバーンを落とす事に専念しよう。


「母ちゃん! 悪いがレプ野郎を何人か生け捕りにしてくれ! 色々と聞きたい事が有る‼」


「大丈夫よ健ちゃん! メスのレプちゃんを3匹捉えて有るわ~、子供も産ませられるわよ?」


「俺の子にトカゲは入らねーーー!」


戦闘中に萎える…………


そして空中戦の一部に凄まじい緑色の霧が出来ていた、シャチーとカーリーがドゥルガーと成って超高速戦闘をしている、あれはレプテリアンでも捕らえるのは難しいだろう、一度で切れないから何度も切りつけているんだろうが、地獄だな…………


空中での戦闘は連合軍に軍配が上がった、恐らく2万を超える大軍だったが、ワイバーンの悉くをワルキューレ隊が落とした。

ワイバーンと言っても風化輪で加速している隊員を捉える事は不可能だ、奴等はでかすぎる。

人間が飛び回る蝿を落とす事が難しい様に、ワイバーンに取っても小さい高速で飛び回る人間を捉える事は不可能だ。

そして最大の切札であるプラズマガンを封じられたのであれば、奴等に勝ち目は無い。

連合軍と反乱軍の初戦闘は圧倒的に連合軍の強さを示す戦いになった。

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