第119話 決着

ASR対マヒシャ、ラーフ


「あの袋に吸われたら駄目よ!あれは乾坤袋けんこんたい、中に吸い込まれたら最後、二度と外には出られないわよ‼」


レミーナ王姫が叫んでいた、そして王姫にも襲いかかる攻撃


ダーン‼


番天印、マヒシャが持つ宝貝最強とも言われる印形宝貝、空中に印をすると大爆発を起こすと言われるその宝貝は空中至る所に放つ事ができ、任意のタイミングで爆発させる事が出切る。

また爆発の威力は爆弾にも匹敵する為に、人間が喰らえば木っ端微塵である。

番天印の恐ろしい所は威力もさる事ながら、その汎用性だった、相手の交わした場所へ印をする、相手が交わそうとする場所へ仕掛けておく、相手の逃げ道を塞ぐ…………

攻撃だけではなく、罠、防御陣、時には地雷等様々な使い方が出切る、威力だけなら雷公鞭の方が遥かに上だろうが、この汎用性が宝貝最強とも言われる由来だった。



「王姫!」



「大丈夫よ!」



数ではまさる物のASR隊は苦戦していた、乾坤袋も番天印も多数用の宝貝である、如何に風化輪を付けていようと近付く事すら出来ない状態だった。


「所詮は烏合の衆だな、アスラ族の女どもが何人集まろうと我らアスラ神軍の敵では無い!」


「そうだなマヒシャ、100人だろうと200人だろうと俺の乾坤袋で一網打尽に吸い付くしてくれる」


だがそんな最強の宝貝であっても…………魔法特化隊にはおもちゃでしか無かった…………


「ねえねえ、ごにょごにょ……ね?いい?」


「嘘?そんなのであいつらの宝貝が防げるの?」


「大丈夫だよ~」


魔法特化隊のルチーナタイプのジャーリアがASRの隊員に内緒話で対策を与えていた


「レミーナ王姫、ごにょごにょ……」


「え?本当ですか?」


「はい、私も信じられませんが……」


「で、では……やります……や~いお前の宝貝なんて単なる掃除機じゃないですか~!」

レミーナ王姫がいきなりラーフの宝貝を馬鹿にしだした。


「何⁉掃除機とは何だ‼」


「お家を掃除する機械の事だよ~!あたしのおうちも汚れたからそのダサイ宝貝で掃除してね?」


ルチーナタイプのジャーリアまで馬鹿にしだした……


そして内緒話が全員に伝わりほぼ全員でラーフの乾坤袋を掃除機呼ばわりしだす……


「嘘~ださ~い、あれが掃除機なんだ~カッコ悪いわね~」


「そうそう、単なる掃除機を変な名前を付けて武器にしてるのよ!情けないわよねー!」


全員から馬鹿にされまくる……虐めに匹敵、いや……100人以上のASR隊員や20人の魔法特化隊、レミーナ王姫からの壮絶な貶され言葉、最早村八にも等しい……

真っ赤な顔で対に切れるラーフ……


「ならばその掃除機で貴様ら全員綺麗に掃除してやるわーーーーーーー!」


「よせラーフ!これは罠だ!惑わされるな」


だがマヒシャのそんな叫びも今のラーフには届かない、何せ100人以上の女から思いっきり馬鹿にされたのだ、ラーフは傷つくのを通り越し、最早平常心を保つ事すら出来なく成っていた。

ラーフは全方位に乾坤袋を広げ、ランダムに吸いまくってしまっていた。


そして一斉にマヒシャに襲いかかるASR隊員、マヒシャは剣による反撃しか出来ない。


「クソウ、あの単細胞めが!まんまと敵の罠にはまりおって!」



「マヒシャ!貴様迄俺を馬鹿にするのかーーーーーーー!」


マヒシャにまで乾坤袋を拡げるラーフ、最早壊れていた……


「バカメ!一人でやっていろ付合いきれん!」


対にマヒシャはラーフを置いて逃げ出した、そして今度はASR隊員がマヒシャに牙を向ける、隊員達は風化輪を全開にし更に魔法特化隊の援護魔法を受けて高速でマヒシャに接近、マヒシャを紐でグルグル巻きにして更に大きなぼろ切れを紐の先に取り付けた



「何⁉しまったーーーー!」


平常心を保っていれば、ASR隊が何を企んでいたか想像は着くだろうが……マヒシャは自らの乾坤袋に吸い込まれ、絶命した。

魔法特化隊が何をASR隊に吹き込んだのか……それは簡単な話だった。

健から全ての宝貝の特徴や対策を聞いていた魔法特化隊は、今回のマヒシャとラーフの組み合わせが最悪の相性だと知っていたのだ。

マヒシャの番天印は空中に印をするが、それは魔力で固めた粉塵をその場に滞留させて、そこに任意のタイミングで火魔法を撃ち込み粉塵爆発を起こさせる物、詰りその粉塵をラーフの乾坤袋で吸ってしまえば爆発は起きない。

だからこそラーフを態と怒らせ吸いまくらせたのだ、それを知っていたからこそマヒシャは番天印を使えなかったのだ。



「け!あのバカメが……」


「それで?あんたはどうするのさ?アスラ神軍はもうあんたしか残っちゃいないよ?」


「な!ブローマ、それに娘か……て事は……」



「ああ、全員片付けたぜ?」



「降参だ‼ヴァルナ様までやられたんじゃどうにもならねー、それにサフラは落ちたんだろ?誰からも念話が来ねー」


「そう言うこった、マヒシャ、悪いが縛らせて貰うぜ?後宝貝は此方で預かるがいいな?」


「構わねーよ、ったく、、ヴァルナ様についていったのは間違いだったぜ、お前の様に裏切っておけば……」



「それは違うぜマヒシャ、裏切られたのは俺の方だ!俺達アスラ族はデーバの奴等に裏切られたんだ、だから俺はムーの取引に乗ったんだが、スゲー人と戦ってな、惚れちまったんだよ……それでその人についていく事に決めた」


「大和か……」


「ああ、そうだ」


「俺も話してみるか、その大和さんによ」


「気に入るぜ?ヴァルナなんかよりよっぽど男気がある」




その後俺達はぜんいんで合流、そこにティターンの巨人達も集まった。

残念ながら今回の戦いでレムリア、ムー軍共に7000近い戦死者を出す結果となった。

被害で言えばアトランティス軍の方が相当数出ているが、数の問題では無い。

ムー軍の兵は精鋭揃いだ、貴重とも言える戦力を7000人も削いでしまったダメージは大きい、だがその数を充分に埋めてくれる大きな誤算があった。

ナルメルがTMSNの会員で有り、そのナルメルが密かにジャーリア達を保護していたと言うのだ。

俺はこの奇跡に喜んだ。



「ナルメル!礼の言葉も無いぜ‼」


「いやいや、何て言ってもこのかわいこちゃん達をミスミス死なせる何て俺には出来ないさ!だが残念な事にジャーリアの女の子は皆俺になびいてくれなくてな…………皆創造主様じゃなきゃ駄目だと来たもんだ、で調べに調べたら創造主様は名誉会長の事だと解ったんでな?会長への土産にしたって事さ‼」


「そうだったのか、いや、本当恩にきるぜ!」



「ほら!かわいこちゃん達が来たぜ?」



「創造主様ーーーー!」



「おう!おっぱい達、無事で何よりだ!乳をとりあえず揉ませるんだ‼」


「変わりませんね……創造主様……」


一頻り揉み終えた後、俺はティターンの巨人達と話を始めた。

先ずティターン十二神にも数えられているテイアーとの話が先だろう



「私達の意図を考慮頂きありがとうございました、本来なら殺されてもおかしく無いところを、ですが何故生け捕りにしようと?」



「エイレーネーと約束したんでね、ティターン族を助けると、俺はエイレーネーを側妻にした、妻との約束は絶対守る」



「私達巨人を側妻になさったのですか⁉」



「いい女ならでかかろうが小さかろうが関係ない、あんたは人を外見で判断する口か?」



「え??いえ…………それとこれとは大分違うと思いますが…………」



「かわんねーさ、エイレーネーは優しいいい子だ、それは良いとして、先ず聞かせてくれ、クロノス達はアトランティスに囚われているんだな?」



「はい、エイレーネーの母であるテミスも一緒に……」



「人質か、ムカつくぜ、場所はやはりファラオの居城か?」


「そうです、ただそれは私達が此方へ来る前の話しで今はどうか……」


「それなら大丈夫だ会長!」



「ナルメル⁉どういう事だ?」



「ティターンの連中はスコルピオン二世、詰り俺の親父のファラオに上手いこと言って此方で預かっている、だがすまん、こちらに来ているあんた達の仲間までは守る事が出来なかった」



「え?では娘達は‼」


「ディオニューソスに殺された…………あんなかわいこちゃんをよ…………」



「そんな……ヘスティアーは私達が連合軍と戦えば娘達は返してくれると言ったのに……」



泣き出すテイアー、俺はこれ以上の話をやめ、サフラの城へと赴いた、そこで見た物は、全身に穴を開けられ、血抜きをされた躯と化した巨人の若い娘達だった、テイアーには見せられない…………

俺は怒りを何処に向ければ良いのか解らなく成っていた…………


「糞がーーーー!」


ドゴ‼


壁を殴っても意味は無い、だが今は殴るしか無かった……



「お父様……」


「イシュタル、俺はエイレーネーとの約束を守れなかった……あいつに何て言えばいい……」


「お父様は良く頑張りました、本来の歴史ではここでティターン族は全滅しているのです、歴史は変わったんです!残された一部のティターンが平話になった地下世界へと逃れるんです、でも今回はお父様が7人も守りました!誇れる事です」


「約束を俺は守れなかったんだよ!…………悪い……お前に当たっても仕方ないよな、、すまねーイシュタル」


「お父様……」



俺はイシュタルを抱き締めながら情けない自分を責めていた……

その後死亡したティターンの遺体を埋葬し、今回の戦での戦死者を家族の元へと運び、戦後処理を行った。

一先ずテイアー達をムーにいるエイレーネー達の所へ届け仮の住まいとして貰った。

俺達はその後メルヘガルへと戻った。


「兄弟!良くやってくれた!これでレムリア統一はなされた!犠牲も多い戦いだったがレムリア統一が成された事で報われるであろう」



「ああ、遺族達には手厚い保護をしてやってくれ!ミーシャやセナに言えば上手いことやってくれる筈だ!」



「いやはやあのミーシャ大臣は凄いものだ、懸案事項をどんどん片付け、法整備も殆ど終わってしまいおった、今ではワシが足手まといになっておる始末じゃ……」



「そうだろうな、ムーでも俺がせかされていたさ!それで兄弟、紹介したい奴が居るんだ!今回の勝利の立て役者の一人だ!」



「何⁉もしかして……」


「そうだよ兄弟、このレムリアの内通者を教えてくれ、土壇場で俺達に協力して勝利に導いてくれた奴さ」



俺は兄弟をナルメルに引き遇わせた


「ナルメル、レムリア王だ!兄弟、アトランティス第三王子ナルメルだ!」



俺は事の経緯を兄弟に話し、これから三人でこの世界を統一に向けて加速させようとしたが……



「それは本当か⁉ナルメル殿‼」


「大マジも良いところっすよ‼ヴァストゥール陛下!」


「いやいや我らはもう兄弟だ!兄と呼んでくれ弟よ!」


「おお!じゃあ今度持って来るぜ兄貴!」


「頼むぞ弟よ!早速コトポニアで試したい、兄弟水臭いではないか!そんなに素晴らしいピー!の道具が有るなら教えてくれれば良いものを」


「お、おう!」


統一に向けての加速ではなく、S○話が加速してしまった……

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