第113話 ドゥルガー
雷公鞭とは封神演義における道士申公豹の持つ武器として有名ですが、封神演義事態様々な種類があり、申公豹が持っているとされるのも、その中の一つでしかありません。
またWikiには白額虎と言う虎に跨り、宝剣と開天珠を持つ。
と有りますが、有名なのは黒点虎ですよね?
と言う事で、マハーバリが持っていても不思議ではありません…………
本文編集
サフラ峠道戦闘地域
軍同士が衝突している一角で、ASR隊の宝貝隊精鋭とワルキューレ隊、魔法特化隊の混成部隊が激しい衝突をしていた。
相手はアスラ神軍のシュムバとニシュムバの兄弟だ。
シュムバとニシュムバと言うと解りにくいが、夜叉明王と言えば解りやすいだろう。
真ん中に不動明王が配置され、周りを囲う様に、四体の明王が配置されている五代明王の絵の、 右下の腕が八本も有りやがる反則アスラがシュムバとニシュムバである。
キーン!ガキーン!ヒュルヒュルヒュル!
「我ら兄弟にそんなちゃちな攻撃が効くと思っているのか⁉」
ASR隊は善戦してはいたが、
「やはりあの宝貝を破壊しないと駄目よ!」
「でもあれって莫邪宝剣でしょ?破壊出来るの?」
「しかもあっちは斬妖剣でしょ?分が悪いわよ」
莫邪宝剣、名工干将が造った名剣に妻の名前である莫邪と名付けられたのがこの莫邪宝剣と言われている。
斬妖剣は哪吒が使っていた偃月刀である。切れ味が気狂いじみている……
「大丈夫です!総帥が言ってました、どんな武器にも種や仕掛けは必ず在ると‼今対策を聞きに行ってます、もう少し耐えて下さい!」
ルチーナタイプのジャーリアが励ましていた。
ーーーーーーーーーーーーーー
更に別の一角でマハーバリとシャチーが戦っていた、そこにはブローマと健がいる。
「ブローマよ、敵の奸計にはまり、裏切って対に冷静な判断すら出来なくなったか?こんな小娘に俺の相手が勤まる訳無いだろう?お前かそっちの若僧がこい!」
「あたしが恐いの?手加減してあげようか?」
「小娘が……威勢だけは良いようだな……」
「実力もあんたより上だよ‼それにあそこの人は若僧じゃなくてあたしの愛しの旦那樣、あんたなんか一捻りだからあたしが相手してあげるの!解った?」
「地獄で後悔しろ!小娘、雷公鞭‼」
ズガーン‼バリバリバリ、ガーン‼
強烈な稲妻が周囲一面を凪ぎ払った!
「おいブローマ‼シャチーは避雷針ちゃんと持ってたか?」
「大丈夫だって兄貴!シャチーは俺と違って賢いから、、、なんかせりふ回しが逆じゃねーか?」
「うるせー!心配なもんは心配なんだ!」
「それだけ?」
「…………何⁉あの電撃で生きているのか……」
「避雷針、雷が落ちても地面にアースするんだって!アースって意味がよく解らないけど地面に流し込むって事らしいよ?」
「もう一度喰らえ!雷公鞭‼」
バリバリバリ、ドガーン‼
「何回やっても同じだって、それだって過去の天空人樣のインドラって奴の欠陥フォルムでしょ?結局はあんたの実力じゃないのよね!宝貝が強いだけで……ダサ!」
「言わせて置けばこの小娘がーーー!」
剣を抜いて挑発に乗ってしまったマハーバリ、避雷針は本当は後2回程度しか耐えられなかったのだ。
だが剣の技量もマハーバリの方が上だった、シャチーの目がいい事で何とか防いでいるが、いつまでも防ぎきれる物じゃない。
俺は堪らず飛び出そうとするがそれをブローマが止めた。
「おい、ブローマ!シャチーがやられちまうだろ」
「兄貴、もう少し待ってくれ、シャチーは兄貴と一緒に戦いたいと血のにじむ様な訓練をワルキューレ隊としてたんだ、兄貴に認めて貰いたいんだよ」
「マジか……あいつそんな事を、でもなー、、胃が痛く成るぜ」
「ワリーナ兄貴、親バカでよ」
「どうした小娘、防いでばかりではいずれ限界が来るぞ‼」
「ふん、解ってるわよ……でもね、そろそろだよ!」
シャチーの様子が明らかに変わって来た、動きがいい……
いや、あれは先読みしている、ごくわずかにだがマハーバリの剣の軌道を読んで剣を予めあわせている、しんじらんねー!
いくら目が良くたってあんな事普通出来ねーだろ⁉
「おいブローマ‼ありゃどうなってんだ!」
「シャチーの母で俺の嫁のサティはプラジャーパティ族って言う仙人達の出身なんだ、そいつらは妙な力を持っててよ、ああいう事が出来るんだよ!」
「おいおいマジかよ、プラジャーパティって言ったら…………」
聖仙であるプラジャーパティは…………
ガキーン‼
シャチーがマハーバリの剣を対に叩き折った
「何?バカな……ならこいつを喰らえ!雷公鞭」
だがシャチーはマハーバリの折れた剣を雷公鞭の方へ向けて投げつけた、雷撃が剣に落ちた。
そしてシャチーの額には……目が開いていた…………
ドゥルガー…………ヒンドゥー教の女神であり、第三の目を持つ美しき女神である。
その実アスラ神軍を打ち破り、ヴィカラーラ(恐るべき者の意味)の異名を持つ戦闘の女神だ。
シャチーはドゥルガーだったのか…………
「な、なんだその目は……何で三つ目になっている…………」
マハーバリは感じている、シャチーの強さを本能的に感じて震えている、俺にさへあの圧倒的な強者の持つ畏怖が伝わって来る、まるで朔の様な破壊を前提とした強大な力を…………
マハーバリは勝てない
「言ったよ?そろそろだって、じゃあ反撃するね!」
そしてシャチーはとんでもない速さでマハーバリの後ろへ回った、、と思ったら……
グチャ…………
マハーバリの首を力任せにもいだ…………
「んがーーーーー!」
「うぉ!」
俺とブローマは同時にビビってしまった、何故か股間を押さえて…………
そして無邪気に俺の処へと戻り
「ねえねえ、健樣見た?あたしあのマハーバリに勝ったよ?あたしも健樣と一緒に戦って良いよね?」
第三の目を黒光りさせながら俺を見る……止めてくれ……お前はそこから破壊の女神カーリーを産み出すんだから…………
「わ、、、解った、、だからその物騒な目を閉じろ……」
「本当?ウレシイーーーー!」
と言って俺に抱きついて来るが…………
「でもね~これの閉じ方解らないの?お父ちゃん知ってる?」
「知らねーな?サティにはそんな物ねーしよ?」
そこにワルキューレ隊の隊員が慌ててやって来た
「閣下にご報告します!我らとASR隊が今戦闘しているアスラ神軍が大変強力な宝貝を使っていて、武器破壊をしたいのですが、お知恵を拝借したいのです」
「シュムバとニシュムバか、なら大丈夫だ、シャチー、行ってやれ!今のお前なら簡単に倒せる」
「解ったよ~!」
そして二人はダッシュで向かって行った
「何だよ兄貴、シャチーが心配だったんじゃねーか?」
「ドゥルガーがシュムバとニシュムバ相手に戦うのに心配何ぞするか!」
「ドゥルガー?シャチーの事か?兄貴シャチーのあれの事知ってるのか?」
俺は神話をブローマに話したが……マジィィィィ‼
神話が本当ならあいつらとの戦いでドゥルガーは!
「追うぞブローマ!」
「どうしたんだよ兄貴!シャチーは平気何だろ?」
「事情は後で話す!今はシャチーを止める‼」
だが遅かった、俺が着いたときには既に黒いシャチーがニシュムバの死体を踏み潰している処だった…………
「な⁉何だよ兄貴、シャチーが二人に増えてるぞ‼」
「あれはカーリーだ、シャチーが第三の目で産み出した暗黒神だ……」
そして黒いシャチーはシャチーが戦っているシュムバの元へ行き
ザシュ‼
手刀でシュムバの胸を突き刺した
「健樣~、終わったよ~」
二人のシャチーは俺の両腕に腕を組んで来た
「ねえ貴女誰?」
「シャチーだよ!」
「シャチーはあたしだよ!」
「あたしもシャチーだよ!」
「マテマテ!サラウンドで喧嘩するな!お前はカーリーだ、いいな?」
「健樣が名前付けてくれるの?ならカーリーで良いや‼」
暗黒神と言っても根はシャチーだ、優しい女の子なのですなおだ、が…………産まれたばかりで全裸だ……乳揉みした……
「エヘヘ、健樣カーリーのこれ好きなの?」
と言う感じで俺には破壊衝動を見せないので安心した。
俺達は捕虜と戦死者を砦へと送る部隊と放れ、再び行軍を開始した。今回の戦闘でレムリア軍に800名程の戦死者が出てしまったのは残念な事だが、激戦の前にASR隊とワルキューレ隊のある意味欠点が露見した事は良かったと言えよう。
ワルキューレ隊は個々の戦力は申し分無いが、集団戦での経験が浅い、特にティターン神族の様な個の戦力が遥かに勝る敵には集団戦での対応が必要となる。
所が今回のエイレーネーとの戦闘では分断されてしまっていた。
ASRも似たような結果だ、個々の戦力はワルキューレ隊に匹敵する程のレベルだが、指揮系統と分断されると好き勝手に戦闘してしまう、ある意味この部分ではワルキューレ隊よりも酷い。
俺はっこの結果を踏まえ、小隊毎に別けていた隊に、中隊制度を導入し、その中で各小隊に役割分担を与えた。
詰り中隊は必ず一緒に行動する事にしたのだ。
今までは少ないルチーナタイプを優先的に振り分け、それに各隊を適時に付けて行くやり方だったが、それを止めた。
だがどうしてもルチーナタイプの援護は欠かせない、だから35人居るルチーナタイプを一人づつ各中隊に別けてしまった。
非情に激務になるが、全ての隊員の安全の為だ、我満してもらう意外ない。
ASRは宝貝部隊を基本に中隊分けを施した、そしてワルキューレ隊と同じ階級制度を儲け、指揮官と分断された時は階級に応じて指揮官になる事に徹底した。
即席だが一応何とかなるだろう。
峠の頂上付近で俺達は休息を取る事になった。
衝撃のシャチードゥルガー化、カーリーの誕生と解らない事だらけだったが、一人ここに関係が有りそうな者がいる……
「おいイシュタル、お前なんかシャチーの事に関係してねーか?チャッチャとゲロって楽になれ」
「アハハ…………だってお父様今のままじゃきついでしょ?だからその~…………ばれちゃいました……」
モジモジしながらもイシュタルはゲロった。
「やっぱりお前たちか……んで?どういう理屈でシャチーがドゥルガーなんだ?」
「元々あの子には才能があったんです、プラジャーパティはティアマトの三つ目族何ですよ!その一族は魔力で自らの眷族を現世させる事が出来るんです、大体は自らの魂を別の時代から転移させるんですけど、あの子は先祖の魂を転移させましたね?」
「イナンナと同じじゃねーか!転移させる事が出来るのか⁉」
「似た力ですけど少し違います、三つ目族は魂飛ばしが使えませんので狙った魂を引く事が出来ません、それに三つ目が開眼するのは三つ目族でも限られた者達だけですし」
「シャチーがその限られた者って訳か……」
「元はそうでは無いのですが、お父様の血が入ったからだと思います、私が少し手を貸してシャチーの覚醒を早めました」
「へー俺の血が…………どういうこったそりゃ⁉」
自分で顔がひきつっているのが解る……
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