レムリア編
第98話 息子のギロ珍
今回の遠征でラ.ムーの統一はほぼ成された。
これ以上西には大した王国はなく、所々集落がある程度だ、一応鴉に調査を命じて有るが、歴史的に見ても大した王国や帝国は存在していない。
アッシリアからバビロン一帯は陛下に臣下の礼をとったバビロニアに統治権を与えた。
アッシリアとアッカド王家及び貴族は解体、王家の者は犯罪奴隷としてピラミッドでの労働を命じた。貴族は奴隷落ち、女どもはブローマやシンラの奴隷にくれてやった。
久美辺りが俺の奴隷にしないのはおかしいと勘ぐっていたが、ぶっちゃけ綺麗所が居なかったからだ。
逆にアトランティス軍で捕虜にとった数名に、かなりの漠乳クッコロ族と、漠乳黒人がいた。
しかも倶楽部のドールだったので遊撃隊に所属させ、激しく愛でてやった、彼女達もかなり喜んでいた。
つまり彼女達の持ち主がアトランティスにいるのだ、俺は早速彼女たちに持ち主を確認し、鴉に接触させる事にした、勿論セルマさんのドールとなった鴉にだ。
「レムリア王国首都に到着~」
「三人とも浮き舟の扱いは完璧だな!」
ルル、ルララ、ルチルの三人は浮き舟の操縦士として現在活躍中だ、ルチルは俺と同行しているので俺が浮き舟に乗るときにのみ操縦するが、本来複数で操縦する浮き舟をルルとルララが二人で操縦する事が殆どになってしまっている。
「今のとこ転位だけですからね、実際浮いて操縦するとなると私達だけじゃ無理だと思います。」
「そうだねー、転位だけならルチーナの記憶で飛ばすだけだからね~」
「そろそろ飛ばせる様になるって魔道研の奴等が言ってたけどお前たち聞いてるか?」
「聞いてますよ~、解析が全て終わったので後は動力炉の試験だけだって言ってましたね~」
「でも今はほぼ毎日使っちゃってるから試験出来ないんですよー」
「ルルとルララ、どっちでもいいから魔道研にテストに何れくらい日数が必要か聞いといてくれるか?飛ばせる様にするのも重要だからな」
「は~い!後試験様に操縦士がルチルも含めて6人必要らしいですよ~」
「解った、候補を俺の方で選定しておく」
俺達は王宮へ向かった、かつて俺が長い時を過ごした都だ。
出迎えにはコトポニアと朔耶、それに何と国王が迎えに出ていた。
そして国民達までもが
「ラ.ムー帝ご一行様ご到着ーー!」
国民総出での迎えだった、喚声が凄い、誰もが皆十六菊花紋とラ.ムーの国旗、レムリアの国旗を降っていた。
十六菊花紋は今もこの時代も変わらず天皇家の御紋だ。
「ヴァストゥール国王、態々のお出迎え傷み入ります」
「なんの、帝に上皇、親王様までがお越しになられていると言うのにワシが城でのんびりしている訳にはいきますまい、それにそちらの太政大臣閣下は我らが何としてもこちらにお越し頂きたかった御人、国王であるワシが出迎えるのは当然の事」
「国王、悪いが俺には過去の記憶はないぜ?」
「貴方に無くともこちらにはある、興味は無いかね?」
「どういう事だ?」
「こちらにはラフィーリア殿下の母君であるセフィーロ様と貴方との間に出来た子の末裔がいる」
いきなりリーアとラフィーネが俺の前に現れ、鬼のような形相で睨み
「どういう事ですか?」
リーアとラフィーネが俺のキャノンをむんずと掴んで化血神刀を沿えて来た
「ちょ!ちょっと待ってくれ!何だよいきなり!俺は知らねー、記憶にねーもん聞かれても」
「そんな!酷すぎます!私は貴方がずっとご先祖様だと言われて来たんです!逢えると思って楽しみに待っていたのにー!」
いきなりでてきて泣き出す見ず知らずの幼女
「なんでもかんでも記憶がねーで罷り通るとお思いですか?健様」
更に強く俺のキャノンに化血神刀を押し付けて来るラフィーネ…………キャノンの危機だ……
おいマイ○ル!テメー一体何やった⁉
俺だけど…………
「フム、修羅場じゃのう」
「朔、お、落ち着いて観察してねーで助けてくれ!」
「少しはいい薬です、ラフィーネさん、後でくっ付けますから一度切り落としてしまいなさい!」
「おわ!何言ってんだ陛下、痛いって!待ってくれラフィーネ、落ちつけ、話をしよう、な?」
「まあその辺りで勘弁してやるがよい、そこの童よ、名は何と申す?」
事の成り行きにビビって泣き止んでいた幼女が顔を上げる
「楓ですよ!」
「朔耶⁉」
「女の子が産まれたら代々そうつける様にこの子の親がそうしたみたいです、間違いなく健兄さんの子孫です」
「さく⁉」
「久美!」
抱き合って再開を喜ぶ二人……だが……
「それで?さくの姉さんの名前が付いてるこの子はどこでどういう繋りで今ここに居るのか詳しい説明をしてほしいわね?」
ラフィーネとリーアの行動にドン引きしていた国王が
「で、ではここで立ち話もなんです、みなさんどうぞ城の方へ」
俺達は城へと招かれた、ラフィーネとリーアの俺を見る目がヤバイ、この二人がここまで怒るのは珍しい、ラフィーリアとラフィーリアの母親の事と何か関係が有るのか?ここはとにかく関係を聞き出さねば解決の糸口が見えないぞ……
俺は城へと歩きながら小さい声で
「おい!ルチル」
「何ですか?」
「何であの二人はあんなに怒ってるんだ?」
「そうですね、もしあの人が本当にセフィーロ様の娘さんの子孫なら、なら健様はラフィーリアさんとの約束を違えた事になってしまいますね」
「んな!どういう事だ?」
「少し長くなりますが良いですか?」
「構わねー!この状況を何とかしてー」
「当事私と健様がレムリアに行った時、レムリアは内戦状態でした。国王派と長男、つまり王太子派が争ってたんです。その時健様はラ.ムーの追手とアトランティス軍の全てを打ち倒し、全ての国々からの招待を受けていたんです。勿論レムリア王からも王太子からも、健様は二人の所へ出向き、国王がアトランティスに懐柔されている事を見抜き王太子に力を貸す事にしました。
そこでお会いしたのがラフィーリアです。
ラフィーリアは健様の事を狂った様に愛しました、当時の私……ルチーナも健様が多妻で子を多く持つことは賛成でしたが、ラフィーリア程健様にベッタリになってしまった妻はおりません。正直私も若干嫉妬してしまった程です。
処が健様は当時の王の妻、ラフィーリアの母に当たるセフィーロ様の激しい求愛にも答えてしまったんです、そしてラフィーリアよりも先に健様の子をセフィーロ様は身ごもってしまいました。勿論ラフィーリアは大激怒、健様のそれを切り落としてしまいました」
そう言って俺のキャノンを見るルチル
「何ーーーーーーー‼お、俺のここは一度切れたのか⁉」
「はい、勿論私もラフィーリアに激怒して健様のそれを当時は魔法が使えましたので、くっ付けましたけど…………とりあえずはラフィーリアも反省して落ち着きました。ですが健様はラフィーリアにこう約束をしてしまったんです……次は必ずラフィーリアに子供を造る、セフィーロより先にと…………」
「ラフィーリアに子供は出来て…………居ないよな?」
「はい、その後直ぐに内戦が拡大してレムリアじゅうが戦に巻き込まれましたので…………」
「だがどうしてそれが約束を違えた事になる!楓は一人目の子孫じゃ無いのか?」
「違いますよ?セフィーロ様の一人目の子孫はセレスティア様達ですよ!」
「ヌゥアニーーーー!マジか……」
「マジです」
「だってセレスティア達の先祖はアトランティス人だって…………セフィーロはアトランティス人か?」
「そうです、アトランティスの姫ぎみがレムリア王家に嫁いで来たんです。」
「て、事は…………楓は二人目か…………」
「そうなってしまいます、私も知りませんでした…………」
完全に情けなくも俺はルチルに助けを求めるしか無かった……
「頼むルチル!助けてくれ!切られるのは嫌だ!お前だけが頼り何だよ‼」
情けなさ過ぎるが仕方ない…………
今にも切り落としそうな目で俺のキャノンを見つめ続ける二人
「はー……ですが健様…………ラフィーネさんとリーアさんを何とか押さえられたとして、ミーシャさんやセナさんも何とかなったとします。
ですがフィリアさんや他のワルキューレ隊員のラフィーリアタイプはどうするんですか?」
「んな!…………」
そうだ……ラフィーリアタイプは隊員にはかなり居る…………
「ルチル!頼む!何とかしてくれ!」
涙目でルチルに貼り付く……
そして俺はルチルの後ろにこそこそ隠れながら謁見の間に入って行った…………
幼女は俺が否定したら多分泣く、否定は出来ない、楓と言う名前すら付いているんだ、朔耶も調べて間違いないと言っている。
認めてしまえば間違いなく俺のキャノンは一度ギロチンされる…………
回復魔法でくっ付けられるとは言え…………
嫌だ!痛すぎる!
詰んでる…………ルチルに頼るしかねー
陛下もナーナも朔も怒ってる、てか久美や朔耶もヤル気満々だ……
「さて皆さん態々レムリアまでお越し頂きありがとうございます。また帝には我らと同盟を結んで頂き大変嬉しく思います。」
「いえ、国王、私どももレムリアとの同盟は願っても無いこと、アトランティスはこの世界に覇を唱えようとしておりますが、人の肉を食らい、奴隷やジャーリアなど人とも思わぬ傍若無人振り、あのような者共を大統させるなど末代まで禍根を残しましょう」
「仰有る通りです帝、我らがヴァルキュリア伝承をもっと早く紐解いて真実に目を向けておれば、早くにラ.ムーと手を取り合いこの様な体たらくな国内の状態にする事は無かったのです」
そして何とレムリア国王がフィリアの手を取り、ラフィーネとリーアの元に連れていく、そして三人の前で膝まづく
「え!」
驚くラフィーネ達
「この様な情けなき子孫で申し訳ございませんラフィーリア殿下、本来はラフィーリア殿下の分身全てにこの情けなき頭を下げるべきところ、国内の事情も切迫しております。先ずはお三方に詫びをする事でお許しくだされ」
そうして自らの胸に短剣を突き立てた
「何をなさいますか国王!何方か回復魔法を」
「良いのですリーア様!これは殿下達に醜態を晒してしまった自らの償いでございます。
殿下、今一度このワシに国内を纏めるお許しをくだされ!必ずやご期待にお答致します、殿下は最強の天空人殿であるマイ○ルジャクソン殿を再びこのレムリアへ連れて来て下さった。
何時までもご先祖に甘えているわけにはいかぬ、今度は子孫である我らが頑張る番です」
「しかと見届けた‼レムリア国王の覚悟見事ぞ、アンナ!国王に回復魔法を」
朔は立ち上がる、そして
「帝!レムリア国王の臣下の礼、妾は不用と見たがどうじゃ?」
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