第54話 役割

天楼閣の1室、俺達家族に与えられた部屋に、陛下とナーナが来た


「帝、ナーナ、何時からそこに?」


「今ですよ!次女の一人が簀巻にされて引きずられている健様を見たと言っていましたから……」


「そいつ、朔姫を強姦したのよ!許せない」


「それが事実なら如何に天空人様でもそれなりの罪に問われるでしょう、ですが今しがたのミーシャさんとレイラの発言、少々気になる事が有ります。」



「気になる事?」



「ええ、母上と朔姫で、何やら私達が戻ってから何度も密会しているのを、次女が目撃しているんです」



「え?桜姫も絡んでるの?」


「そうですよ、アンナさん、健様の縄をほどいてくださいますか?」



「ナーナ、駄目よ!真偽が解るまでそのままの方がいいわ!」



「どうします?お姉さま」



「久美?貴女が上皇に対する健様の罪を言っているなら、貴女の罪も問わなければ成らなくなりますよ?只の嫉妬ならば内輪の問題として処理できますが、私に貴女を捌くような事をさせないでくださいね!」



「ちょ!帝、私何も罪に問われる様な事してないわよ!それに……嫉妬なんて……」



「貴女がこの国で生活を始めて約120年、貴女も十分理解していると思ってましたよ?このラ.ムーに置いては主人に対して妻は絶対服従、これは政務以外では帝でも同じです、帝と言えど家庭では主人に絶対服従何です。正式な婚姻の義をまだしていなくても貴女と健様はお互いで婚姻を認めあった仲、それは既に内縁関係に属します。

夫への暴行及び虐待、これは重罪になりますよ?」



「げ!そう言えば……」



「ほうほう……それは良いことを聞いた!久美には後でたっぷりと……」



ペシ‼

陛下に頭をはたかれた


「健様は調子に乗りすぎです‼まだ上皇への強姦の容疑者だと言うことを忘れないでください」



「はい……すいません……」


「よろしい……ではアンナさん!」



「畏まりました」



「ミーシャさんレイラ、先程の話しを!」



「は~い」

「はい!」



ーーーーーーーーー


朔姫と桜姫の密会室



「なんじゃ朔姫、この天楼閣内で念話などで呼び出しなど、傍受されているやもしれぬのに」



「その様な事今言うている時ではない!」



「失敗したのかえ?」



「失敗はしとらぬ、と言うか酷い目にあったは、あの物間違いなくマイ○ルジャクソンじゃ!妾は失神するまで犯されたわ……」


「なっ!…………それで、確約は取ったのかえ?」



「それは取ったのじゃが……久美が怒鳴りこんできてのう…………」



「なんじゃと!……何故久美が……はっ!もしや……」



「そのもしやじゃ……ルチーナ様…………失念しておったは、ルチルと言う分身体ならば健殿の異変を察知するのは必定、帝に計画がバレるのは時間の問題じゃ……」



「どうするのじゃ、他人の亭主を寝とるのは死罪ぞ!」



「計画性が有れば尚更罪は思いのう……」



コンコン‼


「朔姫様、桜姫様、帝が及びです、至急神言の間に来られたしとの仰せです」


ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!


ーーーーーーーーーー


神言の間、ここには俺、ルチル、久美、アンナ、が既に到着していた、帝とナーナは何時もの様に雛壇にて待機していた。



「朔姫様、桜姫様、御成でございます」


「お入れください」



「帝、なにようじゃな?」



「もう用向きはご存知なのではございませんか?」



「わ!妾は被害者ぞ?」


「誓って言えますか?偉大なる祖先、アマテラス様に誓って被害者だと!」


「んぐ…………」



「皇室御用達の商人に言質は頂いております、そしてレムリア方面調査中の鴉からも……母上?言質を頂いておりますよ?」



「ひぃ!」



「此度の一件、我が皇室の将来を思っての行動だと言うこと、このナンナも理解しております、ですが……我らにお味方下さる天空人様を落とし入れる様な事を母上が……」


「済まぬ、ナンナ、妾はの……それだけではないのじゃ、そなたが幼少よりこの健殿を待ち焦がれているのを見ていて、はよう結ばれて欲しいと、父親のおらぬそなたやナーナが頼れる者を作りたくての……それで……皇室の危機を憂いておる朔姫と……結果こうなってしもうた」



「妾も同じじゃ、神道魔力の強さは確かにお主は強い、他を圧倒しての……じゃがお主には妾の様な武力が無い……ナーナとて同じこと、そなたが200で成人したときに直ぐに皇位を讓らなかったのもそれが理由じゃ、じゃがそこな健殿は助平じゃが武力に於いては抜きん出る者のいない丈夫じゃ。じゃがその健殿はかつてのマイ○ルジャクソン、頑なにどの陣営にも属さなかった男じゃ!

健殿が確実に我らのお味方になるのは帝と婚姻関係に有ること、故に先走ってしもうたのじゃ……」



「はー……私にはお二人は裁けません……どうしたものか……」



「済まぬ……」



「もう……仕方ないわね……」



「何か妙案はございますか?久美」



「とにかく二人は帝とナーナを健兄さんと婚姻させたかった……それで良いんですよね?」



「そうじゃ……」

「妾もそうです」



「その事を誰か証明して下さる方は居ますか?」


「ハサン第二公爵夫人は我らの計画の手伝いをしてくれていたからのう、かの御人なら……」


「まーたあのやろうかーーーーーーーーーー!」


「健様、帝の御前ですよ!」


「おっ、おー……」



「まっ、まー……それならさっき帝が自分で言ってたじゃない、妻は主人に絶対服従だって」



「それが何か?」



「平たく言うと、既に朔姫と桜姫は健兄さんと婚約関係に有った事にすれば良いのよ!

私達がシオンに到着と同時に、二人は健兄さんと帝、ナーナの婚姻について話に来た。健兄さんは了承、そして助平な健兄さんは次いで朔姫と桜姫も所望、桜姫は今は未婚なので、二人は供に了承した。

これを押し通すには帝とナーナと桜姫が健兄さんに嫁ぐ事が前提条件になるけど、それなら誰も捌かなくて済むわ、結局健兄さんが一人勝ちになるのは気に入らないけど……」



帝とナーナの顔が激しく赤面する、そして桜姫も真っ赤に成りながら


「妾は二人が幸せになれるなら、何も問題無い……じゃが朔姫と違って妾は生娘では無いし、歳も歳じゃ、健殿が満足してくださると…………」



「うははははhははは!なーーーにも問題無いぞーーーーーーーーーー!桜姫ーーーーーー!」


「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!妾も失神させるおつもりか?」


「早速人数分のピンク色の事務服を用意するんだーーーーーー!ぐぅも!ふぅぉぉっっぉぉ」



久美がそそりたつマイサンにコー○スクリューパンチをねじ込む、いつの間にこんな高度なパンチを……


「健兄さんもキッチリ反省しなさい!」


そして俺達は部屋に戻る、当然そこには陛下や朔姫達の顔もあった。

俺はここで7人の妻、2人の性奴隷5人の性玩具を所有する事になった。



「それにしても、セリナおば様をギャフンと言わせてやりたいですね、二度も健様を罠に嵌めるなんて」



「と言っても特に法に触れるような事はしておりませんし……」


「ちょっと待ちゃれ?一度目は確かに主人殿が見事に術中に落ちただけじゃが、二度目は少々違うぞよ?」



「それはどう言う事ですか?母上」



「二度目は簡単に言うと不敬罪に当たるの」



「あっ!そうじゃな、帝の会話を妾達に漏らした訳じゃからのう、口止めした訳では無いからそう大それた罪にはならぬが、確かに不敬罪じゃな」



「まあそうキツイ仕置きには問わんでくれ、あの者もこの国を憂いて我らに加担してくれたのじゃから」



「それは解っておりますよ、朔姫、お母さま!只、私の旦那様を罠にはめた事は多少異種返しをしとうございますね」


と言って小悪魔敵な笑いをする陛下……可愛い……


「それはそうと、俺は明日カーヴァルにたとうと思うんだ、セーラが今ルチルの家族を捜索中だが、目星はついたらしいからな!」


「いきておられたのですか⁉」


「確実じゃないんだが、ルチル、お前とお前の家族、役割りが実はあるな?」


「はい……もう覚悟を決めました、ラフィーネさん、リーアさん、ミーシャさんセナさんごめんなさい」


「やっぱり……覚えて無いと言ったのは、嘘だったのですね……」


「お母さん、ルチルさんを責めないで!恐かったのよね?ルチルさん」


「そうよ!リーアお母さんの言うとおりだよ!ルチルちゃん、気にしなくていいよ!」


「ルチルが隠しても久美様がばらしたの~!」


「ちょっと何の話しをしてるのよ!私達にも教えてよ」


「私達ジャーリアでもルチーナの分身である者は、魔力感知や様々な危機感知能力が高いのはご存知ですよね?」



「神道魔法の能力でしょ?」


「はい、ですから私の家族や、グレムのリリさんもですが、健様……マイ○ル様が戻られた時には他のジャーリアに知らせる役割りを持っているんです……私は健様を失うのが恐くて、その役割りを放棄してたんです……恐らくはリリさんも」


「つまりリリも俺がマイ○ルだと解っていたのか……」


「はい……」


どうりで俺のマイサンをタップリと可愛がってくれた訳だぜ……



そして陛下達はセリナへの若干の仕掛けを施し始め、俺はそれを尻目に自分のやるべき事を始める、鴉と呼ばれる特殊部隊を使いながら


「ブローマを呼んでくれ、出陣する!」


「はっ!」

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