第53話 皇族

夜の宴、俺は奮い起つマイサンを何とか押さえ付け出席していた。

と言っても朔姫の妄想を餌に、一先ずトイレでマイサンを言い聞かせてきたのだが……


宴は俺達全員、久美、セーラ、レイナと、陛下、ナーナ、セリナ、皇族の代表者で行われた。出席者は約200人位、朔姫の親族は約5人位、桜姫の親族は何と30人位で、これでも代表者が集まったのみだった。

そして男の出席者はその中でも何と俺を含めたったの8人だった。

美女、美女、美女、見回す全てに美女が目に入る、先程落ち着かせて来たばかりのマイサンがどうにも奮い起って、治まらない。

人数の関係で立食になったので尚更不味い。

俺はそこいら中に置いてある椅子に殆ど座っていた。


そしてイタズラ女が登場

「健殿、ホレ妾が注いでしんぜよう、座ってばかりでは皆が健殿を見れぬぞ?今日の主役なのじゃ、先程も皆の前での挨拶も短い物だったしの」


「そうですよ健様、今日の主役は健様なのですから、お願いです、どうかもっと中心に」


「おお帝、それよりどうなのじゃ?もう夜伽は済ませたのかえ?」


俺は噴き出した


「プーーーッ、な、な、な、突然何言ってんだ朔姫、鼻から酒が出ちまったじゃねーか!」


陛下は顔がアニメの様に、ボッ!と真赤になった。

「何を?なんじゃ……帝は好みではないのかえ?」


「こんな美人、好みじゃねー奴がいる方がおかしいわ!」


「ならばはよう押し倒せば良かろう?帝は拒まぬぞ?何せ100年以上恋い焦がれて待ち望んでいた想い人なのじゃ」


「やれるならとっくにやってる……フォーーー!何言わすんだ、へ、へ、陛下は仮にも天皇だぞ!いきなりそんな不敬な事出来るか!」


陛下は両手で顔を押さえて後ろを向いてしまった……


「奥手じゃのー、でも健殿、妾としては、はよう帝に子を授けて貰いたいのじゃ、それに出来るならここにいる最低でも半分位の者はめとってほしいの」



「さ、さ、朔姫、健様がお困りです、今いきなりその様なお話しをされなくともよいではありませんか……」


「まあそれはそうじゃが、でもの、これは重要な問題ぞ?帝、そなたがそんなんでは困るのじゃ」


「そ、それは……解っております……」


「なあ朔姫、何の事だ?」


「健殿、この宴の場を見てどのように思う?」


「美女だらけだ」


「そこじゃよ、妾の目から見ても見目麗しき女子ばかりじゃ、じゃがの?男衆がおらぬのよ、ここ500年以上、皇族は只の一人も男子が生まれておらぬ、代々の帝は戦乱が激しかった七万~五万年前を除き、全てが男子が勤めておる、それは先天的に男子の方が魔力が強いからじゃ、じゃがここ数千年、帝は女子が勤めておる、男衆がまれに生まれても魔力が極端に弱い、その前に男が中々産まれぬ、これはラ.ムーに取っては死活問題なんじゃ。」


「俺のいる時代でも皇室は女系だったな……こんな時代からそうだったのか……」


「健様の時代でもそうなのですか?」


「ああ、いつもその話題だったよ、皇室に男が少なくて、女性宮家を設立するか?とか、まあこないだ次男の秋篠宮親王に長男が出来たから、今の処安泰何だけどね‼」


「そう言えば健殿は面白い事を言っておったの?久美の話しでは我ら皇族の力はお主達の時代では只の象徴に成り下がっているとの事じゃったが、健殿の思想では帝は絶対的じゃとか」



「そうだよ、だからだよ、象徴だからだよ、陛下は日本国その物であり、日本国は陛下だ!そして俺は日本人だ、国の名前こそ違うがこの時代でも陛下は陛下である事に何ら変りはない!何かおかしな事言ってるか?」


「いや、至極全うな事を言っておるの、ますます気に入ったわ、お主はよう帝と婚姻せい、それにここにおる未婚の者全て己れの物にするが良い、何なら今日の夜伽は妾が相手になってやっても良いぞ?」


「な、な、な、何を言っているのですか朔姫、今の皇族の現状は私も解っておりますが、いきなりここでする事ではありません、、、って、健様!何処を見ているのですか」



ゴキャ!


「ふぉー‼」



「あっ!申し訳ございません大丈夫ですか?」



俺は辛抱溜まらず何と陛下のスカートの中を対に覗いてしまった


「んな!いや、これは、そ、そう虫!虫が陛下のスカートに入りそうだったから!」


「そうなのですか?それは、お気使い下さったのに申し訳ございません」



『はー……このような状態ではいつまでたっても進展は望めぬな、健殿はいつでも大丈夫そうじゃが……肝心な帝があれでは……やはり仕方ないのう……』





そんなこんなで宴が終り、本日のメインイベントの時間がやって来た、俺は若干のボディタッチの確約を朔姫に取った、そして……スマホでの撮影許可も貰ってある、スマホの説明に少々手間取ったが、クリアした、そして……


コンコン‼


「た、健だ!」



「入るが良いぞ‼」


「解った……ウォォォォ‼」



そこには神衣を纏った朔姫の姿があった!正にこれこそオメガに目覚めた者のみが纏うことをゆるされたΩク○ス!

そして太股の付け根寸前にまで短くされたそのスカートの奧に、チラリと見栄隠れする純白に光るそれは、岩戸に隠れてしまわれたアマテラス様が、ウズメの踊りをチラリと除くが如く、神々しささえ感じさせる、ベージュのベールに包まれたその純白は、正に神その物!

タジカラノオが必要だ、この俺にはアマテラス様の光が必要なのだ‼


「健殿?これが見たかったのであろう?」


そしてチラリとスカートを微妙にたくしあげる朔姫


緊急警報、緊急警報、波動エンジンが暴走状態に入っています、このままでは動力炉が爆発していまいます!


どうします?艦長‼


やむ終えん‼波○砲緊急発射


「な、な、なんじゃ?落ち着くのじゃ!目が血走っておるぞ?」


波○砲エネルギー充填率70%


「ど、どうしたのじゃ?取りあえず落ち着くのじゃ!そこに掛けるが良いぞ?」


エネルギー充填120%

ミュンミュンミュンミュン


「や、止めぬか、何処を触っておる、えーい放さぬか」


対閃光対ショック防御!

ミュンミュンミュミュミュミュミュミュ


「ウォォォォ止めろ放せ!アァァァァ…………」


波動砲!発射ーーーーーーーーーー!

キュキョロロ!ズゴォーーーーーー!


「アァァァァ……」


コス○タイガー!全機発進‼



艦長‼まだ暴走が止まりません‼

やむを得ん第二射発射用意



「な!止めぬか!もう良いじゃろ!」


エネルギー充填200%

第二射発射‼


「アァァァァ……」


コスモ○イガー‼再出動



「いい加減止めぬかァァ!」



艦長‼

第三射発射!

コス○タイガー‼再発進


「アァァ………………」


艦長‼

発射‼


艦長‼

発射‼


艦長‼

発射‼


……


そして……俺は完全覚醒を果たす

目には入った後景は……世紀末だった……


ま、まさか……これは……俺が……ウォォォォ!マジぃ

マジで洒落になんねー!


失神している朔姫、ビリビリに破られた服とパンスト、シーツには俺が射出したコス○タイガー隊と……バージンてあった事を証明する痕跡がくっきりとつけられていた……


頭に浮かんできたそれは、松田健39才、住所不定無職、ラ.ムー上皇強姦罪による……斬首の刑

シャキーン‼

ズシャ!

転がり落ちる俺の首


神様なんていないよな……主人公死亡により、完



ヤベェェェェェェェ!どうする?何か言い訳は!…………ゼッテー言い訳出来ねー状況じゃねーか!


俺は取りあえずパンツだけ履き、服を片手にソロリソロリと逃げだしモードに入る……


チャキ!シュー‼

剣を抜く音が聞こえる

「何処へ行こうと言うのじゃ?」


ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!

俺はゆっくりと後ろを振り返る……

そこには全裸の阿修羅三面像怒りの面が、大粒の涙をボタボタ滴ながら、剣を構えていらした。



ーーーーーーーーーー


ルチル達は大部屋で団欒をしていたが


「は!健様が恐ろしい程の恐怖を感じています!」

ルチルが俺の事を感じた


「嘘?まさか敵?この天楼閣で?」


「いいえ久美その様な報告入っておりませんよ?」



「場所は何処です、ルチル、案内しなさい!」


「アンナさん、ついてきてください」



ーーーーーーーーーー


「逃げ出そうなどと思ったのではあるまいな?」


「そ、そ、そんな事思ってませんて~やだな~……」


「そうか、首唱な事じゃ、ならばそこに直るが良い」



「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!、な、なに、お?」


「はようせぬか!」


「はっはいただいま!」

パンツ一枚で正座する俺


「妾は初めてであった……」

と言って自分の太股を見せつける朔姫、そこにはやはり俺の射出したコス○タイガー隊と バージンの証がたれていた


「はい……」


「なのに失神するまで凌辱された……」



「サーセン!サーセン!サーセン!サーセン」


連続でフル土下座を繰返す


「謝って済む問題ではない!」

首もとに剣を突きつけられる



「ひーーー!」



「斬首‼」


「それだけわーーー」


「ならば……責任の取り方位弁えておろうの?」


「取ります、取ります、取ります」


「ならばここで誓うが良いぞ?妾を含めた100人の皇族を目とると……其ならば今回の事は不問にしてやろう」


「しますします誓います、何でもします」


「そうか、そうか、ならば……」

その時だった


ガタン!


「健兄さん!無事………………………………」


「ヌワー!」


「アンナ……足に補助魔法を」


「畏まりました」


「死ね!このど下道がーーーーー!」


ドガガガガーーーーーーン‼


俺はゴムマリの様に跳ねとび、ムーンサルト落下をした、見事に意識を手離す


「申し訳ございません上皇、このど下道は私に暫くお預け下さい、その後煮るなり焼くなりお好きな様になさって下さい」


「よよよ良いぞ?、今しがたその者も悔いを改め如何様にも責任を取ると言っておったのでの?」


「解りました、それでは暫しお待ちを」


「ラフィーネ、連れて来て、運ぶ必要ない!簀巻にでもして引きずって行けばいいわ!」



「でも……」


「こうすればいいのよ!」

どか!


俺は紐でぐるぐる巻きにされ、さながら鮭の様な状態で運ばれた


ーーーーーーーーー


身体中がいてー……確か俺は久美とアンナに見つかって……見つかって……見つかってーーーーーーーーーー!


「ウォォォォ‼」


「目が覚めた?」


「久美!……アンナ……」


「妻がこれだけ居ながら他人を強姦とは……怖れ入ったものよね?何普通に座ってるの」


俺は即座に正座に切り替える、針のムシロダ……


「何か言い訳ある?聞いてあげるわよ?」


俺は事の一部始終を話した


「それ言い訳に成らないわよね?」


「はい……成らないです……」


「あの……久美さま……今回はどうか許してあげて……」


「何言ってるのルチル!」


「ひぃぃ‼」


「そうですよルチル!何度も何度も健様にはお願いしました、貴女も知っているでしょう?今回こそはもう許してはなりません」



小声で二人が話し出す

「ねえねえミーシャちゃん」


「な~に?レイラちゃん」


「この話しなんかおかしくなーい?」


「うん、ミーシャもそう思うよ~」


「何で健様の行った先に都合よく健様の世界の女の人の、しかも健様の大好きな服が置いてあるの?」


「うん、しかもレムリア製品だもんね~」


「そのお話し、詳しく聞かせて頂けますか?」


「あっ!帝様」


「久美!健様へのお仕置き、私に少し預けて頂けますか?」

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