第39話 ヴァルキュリアの伝説

今俺は激しい葛藤に苛まれている


女風呂は現在楽園状態なのだ、エリシオンだ、桃源郷なのだ、だが風呂に行く前の事が気になり、俺はエリシオンの前でどうしても一歩が踏み出せないでいた



皆で風呂に行く前の出来事だ



「じゃ行こうか、露天有るんでしょ?ここ」


「はい、久美様、そのように伺っております」


セレスティアも嬉しそうに答えている、やはり今も昔も露天は人気なんだな


「では皆で参りましょう、ナーナ、行きますよ」


「はいお姉さま、こんなに大勢で行くお風呂、とても楽しそう」



「ではセレスティア様もセフィリア様もどうぞ、ここの見張りは私達でやっておきます」



「何を言っているのですか?アンナさん、私は皆でと申しました、当然あなたもシエラさんもラフィーネさん達も皆と言う事です」



「ここのお風呂はとても大きいのだとか、大勢の方が楽しいですね」



「ナーナ良いこと言うわね、健兄さんの事も貴女達に聞きたいし、皆で行きましょう」



「でも、ジャーリアと帝様が一所なんて……」



「ルチルさん……それは私を傷つけたくて申しているのですか?」



「そ、そんな事、ただ私はジャーリアと一緒など帝様が汚れて……あ……」



「ルチルさん……如何に私でも……限界がございます、何故その様に悲しい事を申されるのか……」



何故か陛下が泣きだした、正直俺にも何がなんだか解らない、ルチルが酷い事を言ったとも思えない、と思ったらナーナまでが泣きだしてしまった。


「ルチル、陛下の背中を流してこい!これは俺からの命令だ!」



「……ありがとうございます、健様……」



「いや、、、」


俺は小声で

「久美、一対どうなってんだ?」



「知らないわよ、私だって」



「そうか……」


ルチルは何時もの慌てふためきようで陛下と一緒にお風呂に入っていった


俺は部屋に戻り少しさっきの事を考えていたが


「松田殿、ここは我が見ているゆえ貴殿も入ってこられよ、女性風呂と違って1人はさみしかろうが、大きい湯船に1人も中々に醍醐味が有ろうと言うもの」



「そうだな、じゃぁラムダ将軍、頼むよ」



「心得た」


風呂にでも使ってゆっくり考えてみるか……何でいきなり陛下が……


そして俺は……

『聞こえる、黄色い声が、あの声はセレスティアだ、そして、ナーナだ、次は陛下、ラフィーネ』

と声を追っている内に、マイサンが起きてしまう、、、

陛下の心よりも、やはり陛下の裸体の方が気になってしまっていた。


そして俺は葛藤していた、ダメだ、相手は陛下だ、この様な不敬許される筈が無い、だが、陛下と言えど女性だ、あの女体の神秘は見られる為に、いや……

そして久々に登場する悪魔

おい健、お前何を言ってるんだ?相手は陛下だぞ?


何?こいつがまともな事を!


覗かないほうが不敬と言うものだろ?


言うわけがない……


健、陛下と言えど女だ、女は男の気を引く為に、お洒落をするんだよ!どうだ?陛下は美人だろ?ナーナだってそうだ!

それにセフィリアとセレスティア、あれは伝説の女騎士だろう、待ってるんだよ辱しめを受けるのを


ふっ!そうだな……

俺は何を勘違いを、皆は俺が覗くのを待っていたんだよ、期待に応えるのが男の役目じゃねーか!




ーーーーーーーー


エリシオン(女風呂)



「帝、ナーナ、落ち着いた?」


「ごめんなさい、久美」


「どうしたのよ、二人とも、ビックリしちゃったじゃない」



「ごめんなさい、ただ、ルチルさんが余りにも悲しい事をいうものですから」


「ごめんなさい、私……」



「謝らないで下さい、謝らなければならないのは私の方なのですから」



「意味が解りませんわ?帝」

セリナが陛下の肩を抱きながら言う


「お姉さま!もう黙っておく必要はないと思いますよ?」


「黙っておく?」

ラフィーネが心底解らないと言った表情で訪ねる


「そうですね、ラフィーネさん、リーアさん、ミーシャさん、セナさん、そして、ルチルさん

本当に、本当にごめんなさい」


ナーナも一緒に頭を下げる



「え?あっあの!」

戸惑うルチル



「お止め下さい帝、ナーナ様、何をなされておいでですか?久美様、お願いします、お止め下さい」


「え?ていっても私にも何が何だか解らないわよ、ラフィーネこそどうなのよ……」



「帝様、ジャーリアは汚物何です、どうかこの様な汚物にその様な真似は」



「どうかもうお止め下さい、ルチル様、私達には解っているんです、この機会をずっと待っていたんですよ?」


「え!何を、帝様?」



話しは覗こうと思って岩に足をかけてた俺にも聞こえてきた

『ルチル様?なんだ?』




「ルチル様、いえ、ルチーナリリアーヌ様」



何だ?ルチーナ?何を言っているんだ?陛下は……



この時ルチルは激しく動揺していた、それは……

何故それを知っているのか?と言う動揺だった

「ど、どうして……それを……」



「そして、ラフィーリア.セナ.ミシェル.レムリア殿下、、、

気付いたのは本当に先程です、ルチル様、あなたの敵や健様の事を異常な迄に感知する能力、あれは魔力を使わなくとも神道魔法を学んだ者で、極限に迄それを昇化させれば、誰にでも出来ます……ですがそこに至れる者は皇族と言えどほんの一握り、帝となる者だけです。しかも帝となった私を遥かに凌駕する程のそのお力……

古来より神道魔法を学ぶ者は一部の神道魔法に適応出来る特種な種族のみ、それは皇族と過去の皇族の親族である高司祭のみ……

後の謎解きは簡単でした、神道魔法を学んだ者で、大罪人マイ○ルジャクソン様に近しき者は一人しか居ませんもの……そしてレムリア人で剣を自が手足のように操り、マイ○ル様との子を成したこれまた大罪人、それは貴女達です。

ラフィーリア、ラフィーネ、リーア

セナ、

ミシェル、ミーシャ

ラフィーリア、セナ、ミシェル、レムリア!

貴女です、そして……

ルチーナ、ルチル

貴女達ジャーリアは、もしマイ○ル様が戻られた時にそれとなく解る様に、自らの名前の一部を生まれた分身に着けていたのですね?」



「レムリア‼……帝、それはレムリア王国の王族のみが付けられる……」


セーラが大声で驚いている、これはラフィーネ達の事か?


「そうです、ここにいるラフィーネ様達は、かつてレムリアの軍神と呼ばれた、レムリアの王女、ラフィーリア様の生まれかわり、いえ、ジャーリアとなられたのでラフィーリア様その者何です」



「帝、何故……それを」



「皇族のみに伝わる口伝何ですよ、リーア様、、でも恐らくジャーリアがルチーナ様やラフィーリア殿下達だと知っているのは恐らく私とお姉さまだけですね、そしてここにいるルチル様は約5万年前の帝、ルチーナリリアーヌ様その人です」



俺は硬直した……岩半分登った処で……

『嘘、だろ』


「違います、私は、私はそんなんじゃ」



「お止め下さい!わかっているんです、、、

ルチーナ様達は世界を救うため、敢えて裏切りの仮面をかぶり、世界を裏で操るものたちへ闘いを挑み、命を散らせていった。

同時に分身を残し、敵の自分達への追及をそらすためにあえてジャーリアと言う身分まで自らの地位を貶めていった。

貴女がたはジャクソン様と一緒に闘い、そして散っていった英雄達の分身体」


「お姉さまの言う通り、そして他のジャーリアの皆様がたも、かつては高い地位におられた方ばかり、皆高貴な志を持ち、世界を救うためにジャクソン様の元に集まった。シオンにはその方々の伝承が皇族のみにヴァルキュリアの伝承として残っているんです、唯一の皆様がたの肖像画とともに」



「その中心にはルチーナ様、貴女の帝として成人した美しいお姿が描かれております」



「……ルチル~もう隠さなくてもいいと思うよ~?多分創造主様は健様だよー、逃げ切れたんだよー」


「そうよ、多分逃げ切れたんだよ、私達も分身として生き残れた、創造主様も生き残れた、そして健様は私達の元へ戻って来てくださったんだよ」



「解らない、でも、セナさん、私は健様を愛してしまったんです、もう、嫌なんです、あんな悲しい事は、健様を失いたく無いんです」


「はー……そりゃかつて愛した人なんだから愛しもするでしょ……」



「本当なんですか?久美様、健様は本当に創造主様なんですか?」


「ルチル、皆、上がりましょう、話してあげる」



俺はとんでもない事を聞いてしまった……

そして無理な体勢が祟り、ロッククライミングの途中で痺れてしまっていた……

寒い、動けない……




痺れも取れ、俺達は久美の話を聞くために部屋に集まった。

ただ、ルチル達の希望により、ルチル達の過去の話は女達の秘密として処理された、俺は覗きで聞いていたんだが……


「まずどこから話そうかしら?ジャネットが良いわね、健兄さん、浩二兄さんが死んだ時の状態、覚えている?」



「忘れる訳ねーだろ、浩二はバトル中に崖から落ちて死んだ 、車は激しく炎上、遺体や骨まで残らない程凄惨な後継だったと警察から聞いている」


やっぱりここにきたか……



「そう、浩二兄さんは崖から落ちて、、、この世界に来たのよ‼」



「どういう偶然?、ですか?」

ナーナの突っこみが入る……



「偶然じゃないわよ、あくまでも仕組まれた物」



「何故そう言い切れる?」



「浩二兄さんは健兄さんを助ける為にここにきたからよ!わざと死んだ、んーん、わざと生きたままこの世界に来た」



「いくらなんでもそんなわきゃねーだろ、しかもお前を残して」



「私もここに来る、健兄さんもここに来る、解ってれば浩二兄さんならやると思うわ」



「何で俺やお前が来る事が解ってるんだよ?」



「そりゃ浩二兄さんは来る前に逢ってるから、この世界で健兄さんと」



「だからどうやったら会えるんだよ!俺と浩二がここで」



「あの~健様?」



「レイラ、ちょっとまて、今は久美の話を」



「ですから、その話何ですけどね?すごーく言いにくいんですけど……」



「レイラちゃんだっけ?助かるわ!健兄さん鋭い時は妙に鋭いんだけど、基本頭悪いから説明が大変なのよ!ズバッと言ってあげて」


「んだとコノヤロー!」



「良いからレイラちゃんの話を黙って聞く!」


「はい……」


「で、では、『天空人様同士だと女の方が強いんだ……』今話してる一番の内容は、健様がマイ○ルさんなのか?と言う事ですよね?それを久美様が説明をしてるって事までは良いですよね?」



「おお、その通りだ!」



「それで、健様は数十日前にこの世界に来たばかり何ですよね?」



「おお、そうだ!」



「なら、久美様のお話しを聞く大前提として、最低でも健様は2回この世界に来ていると、聞く側が頭の中に置いておかないと、久美様がはなしずらいと思うんですよ……」



「おーふ!…………」



俺は廻りを見回す、一応に頷いているものもいれば、明らかにこのKYがー!と言う目で俺を見ている奴もいる…………

つまり俺だけか……俺だけなのか……

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