ゲート~最強で最弱な君と僕~

僕―白川クロは今日、初めて高校に入学した。

学校に通うのはこの歳で初めてクロはスゴく緊張していた。

まぁ、緊張する理由は他にもあるのだが。横に座ってる彼女。彼女が腕を組みずっと足を叩いている。雰囲気だけで分かる彼女はスゴく怒ってる。

何に怒っているのか分からないから怖い。周りも話しかけづらいのか僕と彼女の周りには人がまったく寄り付かない。


学校に行ったら友達作るのが当たり前と聞いたから作らなきゃとクロは考えるが悲しいかな。クロの居る席は教室から一番隅の窓側で隣には彼女だ。クラスの皆は出入り口側で楽しそうに話している。

クロもそちらに行きたいが何となく動けない。


「ねぇ?あんた」

 不機嫌な彼女が突如話しかけてきた。

「は、はい」

 クロは背筋を伸ばし彼女の方を向く。

「あんたもあっちのバカ共みたいに納得してるの?このクラス分け」

「納得って…?」

「だから、このクラスに不満は無いのって聞いてるの」

「ふ、不満もなにも外の張り紙に書いてたから…」

「それを見てなにも思わなかったの?」

 クロは彼女が何が言いたいのか分からず首を傾げる。

「あんた、この学校のクラス分け方法知らないの?」

「バラバラじゃないんですか?」

 クロの発言に彼女はため息をついた。

「バカじゃないの?全然違うわよ。入学試験の時の実力でクラス分けされるのよ。この学校はね」

「あの試験ですか?なら僕がここにいるのも納得です」

「あーあんたもあそこの奴らと一緒か」

「だって、ロボット相手じゃ勝てませんよ。僕の能力じゃ」

「そうよね。何でロボットなのかしら。あれが人なら私は今ごろAクラスにいるはずなのに」

 彼女は吐き捨てるように言ってまた腕を組んだ。


この学校―出雲学園の入試試験は闘技場でロボットと戦わされる。その戦闘を教師に見られ採点をされる。

だから僕がここに入学出来たのは奇跡でしかなかった。僕の能力も人相手じゃなければ役にたたない。

クラス分けはAからDまで分けられ僕は最下位、Dクラスになった。僕は納得したが隣の彼女は納得できないらしい。先生が来るまでずっと不機嫌だった。あの時、話しかけてくれたのはなんでなんだろう。

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