愉快な暗殺者たち
@S_k
序章
ふと庭の木を見ると、葉が枯れ落ちていることに気づく。季節は秋から冬へと変わりゆく。もうすぐ嫌いな冬がやってくると思うと憂鬱な気分になってくる。
「おい、将夜」
「...なんだよ父さん」
「行きたい高校は決まってるのか?」
「高校なんてどこでもいいだろ」
ああ、そうだ。今年自分は受験生だということを思い出し、さらに憂鬱になる。久しぶりに父さんが帰ってきたと思ったら高校受験の話。ウチの父さんは昔から教育関連には口出しをしない親であったから将夜は少し驚いた。ぶっちゃけ高校なんて考えていなかった。
「つまり何も考えていなかった訳か、これは丁度いいと言ったらいいか。」
父さんの話し方はいつもずっしりしている。そのせいか将夜は昔から父親の言う事だけは反対できない。
(まっ、そもそもうちの父さんが俺に口出しすること自体少ないから聞いてやろうかなって気にはなるんだけどね)
父さんが口を開く
「西河高校に行きなさい」
「えっ、西河高校?あんな普通な所でいいの?」
「普通な所だから、と言うのが理由だがな」
「自分でも言うのはアレだけど、俺頭良いからね?」
「ああ、私に似たんだな」
「「アッハッハ」」
父さんの言っていた「理由」というのはよくわからないけど受験で楽を出来るのは俺にとっては好都合だ。ついこの間の校内学力考査でもほぼ満点で上位だったしなあ。
「まあ、頼んだぞ」
「任せとけ、父さん」
そして月日は流れる。
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