舞~華麗なる刃物少女~
@aka1523_konoha
第1話 プロローグ
教室の窓から夏風が勢いよく机に座っている私に吹き付けてくる。
私の横から垂れ下がった三つ編みが揺れる。今年も夏が始まった。夏風はジメジメしていて暑苦しい、私はこの風が嫌いだ。その風につられて窓についているまだ真新しいカーテンも大きく揺れる。空色のカーテンだ。外の青い空と同じような色。太陽で輝いて光り揺れている様子が綺麗だ。見ているとなんだか眠たくなるような気がしてくる。
周りからはクラスメイトの話し声が聞こえてくる。女子達のウワサ話、はしゃぐ声、笑い声、何がそんなにおかしい?よくそんなに笑えるものだ。私もいつかあの輪の中に入ってみたい…など思ったこともない。ただ自分の孤独を感じたくない者同士の集まり。お互いを認めあっているようでそうではないただのたてまえ。気があっているようでただ空気を読んで合わせている。そんな関係が一般にいう友達だ。
私はそんなものは必要ないと思っている。あってもなくてもいいものはない方がマシだ。
もう一つ大きな声がする方を見てみると幼馴染みの悠が色々な人に囲まれて笑っている。アイツは隠す気がないな。私たちの秘密を。バレたら私も厄介なことになるのでやめて欲しい。
それはアイツのやり方で私がどうこういうつもりもない、こう見えて結構信頼しているので心配はないはずだ。でもあんなに人とくっついていれば、ボロも出るはずだ、私はそれを心配している。だから私は友達を作らない。いつか邪魔になる時がくるからだ。
いつの間にか風は止んでいた。
そうこうしてられない、もうホームルームの時間だ。私は学級委員としてしっかりやらねば。立ち上がり教卓へ向かった。落ち着いて、威厳のある声で...
「ホームルームを始めます。」
私が話し出した途端教室が静まり返った。
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