第27話戦闘開始。
洞窟に戻ると、意外にもそこら中にゴブリンがいた。これは予想外だ。僕としては安全かつスムーズにクエストを完遂したかったのだが。
僕はため息を吐いた。その瞬間、3人のわくわく感が手に取ってわかる。
「こんなに標的がいるわ。腕がうずくわ。私をコケにした分はお返ししないとね。ふん、邪神の力を借りるようになろうとはな。ああ~、神よ。私に力をあたえたまえ。」
「エンジェルパンチでもお見舞いしてやるわ。追い回した借りは、御礼参りでね。」
「御礼参りですかぁー。いいですねー。腕がなりますぅー。」
なにこいつら怖い。追い回されてからスイッチが入ったらしい。僕は作戦通りやってくれたらいいんだけどな。極力安全な道で行きたい。
「おい。ミキエル。エンジェルパンチはいいけど、ヒーラーなんだしサポートを……」
早速、1匹のゴブリンに向かって顔面パンチを繰り出した。殴られたゴブリンは衝撃から物陰にぶっ倒れた。痛そうだ。
「やりますねぇー。私も負けずにやりますよー。クレッセントスパーダ」
弱ったゴブリンに向かって下から上へと切りかかる。当たってはいないが、ゴブリンはびっくりしている表情を浮かべる。
「私に任せろ。くらえ、傲慢の果実をくらったものよ。撃滅乱射」
ゴブリン1匹の全体に魔法銃の連射の嵐が舞う。ゴブリンは意識はないようだ。
それを見た3人はドヤ顔をしている。さぞかし私たちの力はこんなものよと。
「なんだよ。やるじゃないか。意外といいチームなのかもな」
「見てみて。マサル。レベルが1上がったわ。このままいくわよ」
ミキエルがえらくやる気だ。さっきの戦いの感じがよかったらしい。
それから作戦通りに、ゴブリンを行き止まりにおびき出して3人で攻撃する作戦をしているうちに数も残りは10体ぐらいになっていた。
「今回のクエストで5レベルは上がったわよ。マサルもうレベル的に言ったら私たちの方が先輩ね」
ミキエルが笑顔をみえながら嫌味を言ってくる。顔がものすごくうぜーーーー。
「そんなに変わらないだろ。レベル1ぐらいの誤差だし。しかもさっきからエミリーの攻撃が当たらないから代わりに、僕も参加してるだろ」
エミリーが申し訳なさそうにこっちに来て、上目遣いで僕を見てきた。
「全然当たらないですぅー。ごめんなしゃい」
よし。許そう。見ていて癒される。かわいい。
「まぁエミリーはよくやっているよ。ゴブリンが反撃してきたら壁役になってくれて、敵の戦意をなくしているもんな」
「それほどでもですぅー。もう少しナイトとして攻撃が当たればいいですけどー」
「意外とこのまま全滅出来るんじゃないか。このパーティ結構いい感じかもな」
「それもいいでしゅねー。頑張りマシュー」
「あ、噛んだ。」
エミリーは顔を真っ赤にしている。それを見て僕はからかいながら談笑した。
するとリリィが大きな声で僕に言ってきた。
「マサル!!金剛草あったぞ。ここにたくさん。ゴブリンたちが隠していたようだ。そのゴブリン達はいないみたいだぞ」
リリィの叫びに僕は反応して、すぐさまリリィの近くに行った。
「本当だ。こんなに金剛草がある。もしかしてゴブリン達が金剛草を独占していたから難易度も中級だったのかもな」
僕はその金剛草を手に取り、クエスト必要分と余分に5個採取した。それと近くに例のものがあるか僕はチラチラと周りを見渡した。すると。
「本当にあった。金剛草の生えていたところにエメラルドがあるとは。結局ゴブリン倒さねければ採取出来なかったじゃねーかよ。次にやっくしーにあったら文句言ってやる」
僕たちは必要なものを採取、探索し、周辺を確認した後にこのエリアを後にした。
「意外と簡単に手に入ったね。次のクエストも今の感じみたいにスパッと終わらさないとね」
「そうだな。最初は焦ったが私たち4人いれば、おちゃのこさいさいよ。感謝しなさい」
「そうですぅー。楽勝。楽勝ですぅー」
なんだ。感じがフラグぽいぞ。これは危険な香りがするのだが僕だけか?
「おいおい、こんなフラグぽいこと言うなよ。これからゴブリンの親玉が出たらそうするんだよ」
「「「え?」」」
一斉に僕の顔を3人は見た。その瞬間だった。
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