第18話目の前に気になるものがある。気になったら触りたくなるよね。
僕ら4人が街に戻ると夕方になっていた。周辺はオレンジ色に染まり、家からはお魚の匂いがする。
良い匂いがする。あー早く、ご飯が食べたい。
先にリリィが先頭に居て、その横でエミリーがいる。その中間に僕が居て、後ろにミキエルが羽根を出してぷかぷかと浮いている。
ミキエルの羽根については、最初は周囲から驚かれていた。何回も見られると周囲も慣れてしまったのか、次第に何も言われなくなっていた。関心がなくなったのだろうか。
それはそうと、僕の目の前に気になるものがある。
無性に触りたい。どんな感覚なのだろうか。
それはホワイトっぽい銀色のような色をしている。
そう、エミリーの後ろにあるドラゴンの尻尾だ。
今、ぷらん、ぷらん、している。
尻尾をふっていると機嫌がいいのだろうか?
僕はそう考えていると、知らない間に僕はエミリーの尻尾を掴んでいた。
「きゃーーーーーーー。」
列の前で大きな声が聞こえる。
顔を真っ赤にして両手で顔を押さえているエミリーがいた。
「あ、ぷにぷにしてるのか。ふむふむ。」
リリィが突然、僕の後ろに周り呟いた。
「貴様、おとなしいと思えば大胆な。殺されたいのか。」
後ろの背中に銃を向けてくる。
「クズる、触りたい気持ちは分かるけど、実際に触ったらダメだよ。」
「ひどいですー。カスるさん。尻尾はドラゴンにおいて一番感じる部分なのですよー。たまに一部のドラゴンは切られる方はいますが。極力触らないで欲しいですー。」
おい、僕の名前がクズ、カスと言われ傷つくのだが……。
とりあえず3人の目の前で、地に足と手をついた。最後に頭を地につけ。
「すいませんでした。」
リリィは銃を僕に向け、ミキエルは腕組みをしている。
「「よろしい。」」
エミリーが自分の頭に自分の両手拳を置き、僕に一言言った。
「今度やったら死刑ですからねー。おこですよー。プンプン。」
もう触りません。死刑は嫌なので……。
リリィは銃を僕の前から下ろした。
「全く、お前と言う奴は。せっかく、エミリーが女騎士になると言うのに、お前は鍛冶屋兼冒険者から変態にジョブチェンジか。もう何も言えんぞ。」
ごもっともです。申し訳ありませんでした。
……とやりとりがあった後、僕が強制的に先頭になり、残り3人が僕の後ろを歩くことになった。
そうしているうちに、冒険者ギルドに着いた。
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