第15話ドラゴンは意外にもスタイルは良かった。

『やっぱりラスボスってドラゴンだよな。』

『強力なレアモンスターってドラゴンでしょう。』

『伝説のドラゴン、ブルーアイズは俺の切り札だ。』


幼少時代の僕の記憶が、一瞬頭をよぎった。


ドラゴンといえばそう、モンスターの中では最強なモンスターだ。イメージからしても。


昼に道通りで村人が、帝都にいる凄腕の聖騎士レベルがようやく倒し、居なくなったと聞いていたのだが……。




「なぜ、こんな近くの山にいるんだ。」




見渡して見てもデカい。なんで今まで気づかなかったんだというぐらいに。

それに頭に生えてある角が馬鹿みたいにデカい。

体は綺麗な銀っぽいホワイトカラーをしている。しかし、右足には剣が刺さっていて痛々しい感じになっている。

痛いのか、ドラゴンは地に顎をついてその場所に寝そべっている。

ドラゴンは僕たちに気づいたようだ。



「なんで人間風情がここにいるの?ここは強力な魔力で結界をはっていて、来ることが不可能な仕組みだったのだけど。」


表情はわからないが、驚いている様子なのは見てわかる。



「まあ良いわ。どうせ私はこの剣の毒によって時間が経てば死ぬ運命なのだから。」


ドラゴンはため息を吐いた。



僕とリリィとミキエルはドラゴンを直視している。しかし痛々しい。剣が足に突き刺さっているのだ。リリィとミキエルは苦い顔をしている。

僕はその剣ぐらいは抜いてやりたいと思った。



「なんだ?この剣が原因なのか。僕が抜いてやるよ。」



そう言い、ドラゴンの尻尾を掴み右足に向かう。


「やめろ。その剣に触ると聖剣によって、この世界の免疫である生命力(マナ)を吸い取ってしまい、あなた自身の魂をその剣が吸い……あれ?」



僕がその剣を抜いた。どうって事ないようだ。

この世界の免疫って事だから、この世界の住人じゃない僕は関係ないのかな。しかし、……。



「なにそれ。説明怖い。抜く前に教えてくれよ。フェイントはダメだよ。」


僕は急に足をガクガクして来て倒れ込んだ。


ミキエルが鼻で笑い。ヒールを僕にかけてくれた。


「ふん、ビビリめ。それでもあなたは男の子なの。クスクス。」


この堕天使が、バカにしやがって。ヒールは助かったけど。



ミキエルがドラゴンにもヒールをかけた。


「あなたは混沌のドラゴンじゃなくて、人間と調和を図る種族のドラゴンでしょう。このドラゴンは比較的安全な部類の種族よ。」



「ありがとう……、ございます。」



急にドラゴンの体が光り出した。みるみるうちに人間と近い身体になっていく。

フード付きのコートがかけているが、中は全裸みたいだ。よく見ると女性みたいだ。おっぱいはドラゴンだけあってデカい。スタイルはボンキュウボンでスタイルは超絶いい。

顔の方が、美人のお姉さんタイプで、髪の色はちょっとウェーブがかかっているロングヘアの銀色だ。

頭には可愛くちょこんと角が生えており、白い尻尾がコートの下から見えて来る。



「助かりました。このままだと明日の朝にはこの世には居ませんでした。」


「私の名前はエミリー。エミリー・ホワイトです。エミリーって言ってくれたら嬉しいです。」



僕たちはドラゴンを知らない間に救ってしまったらしい。



「私がこの人間世界とドラゴンの調和を図っている時に急に聖騎士さんがやって来て斬りかかってきたんです。

最初は逃げていたのですが、昨日体力の限界が来てしまったところをブスリとやられてしまい……。」



ドラゴンも大変なんだなと思いつつ、この世界の規律はどうなっているのだろうと僕は思っていると。



「仕方ないのです。この世界のドラゴンは混沌勢が多くひしめいていて、先日も別の混沌勢ドラゴンが村を滅ぼしたと聞きました。」


「ドラゴンの間でも近々、帝都からドラゴンキラーの聖騎士が来るって話があったので気をつけていたのですが……。」



「そこで運悪く出会ってしまったと言うことか。」

僕はそう言うと悲しい感じを見せるエミリーが居た。


ミキエルが暗い空気をぶち壊す提案をして来た。



「とりあえず、ここから離れてご飯でも食べに行こうよ。みんなもお腹空いてるんだし、エミリーさんもこの姿だとバレないと思うし。」



「そうだぞ。私たちはお腹がとても空いているんだ。早くご飯を食べさせろ!!」

いきなりリリィも同調しだした。


お前らはさっき食べたばっかりだろう。全く。



「それじゃエミリーさんもご一緒どうですか?」



「いや、人間とは……、迷惑掛けると悪いので。それに人間に対してトラウマが……。」



「いや、私は天使だ。人間じゃない。」


ミキエルが輪っかと羽根だした。それに伴い、リリィも頷く。



「私は軍人だ。調和を図る者を無理にいたぶる趣味はない。それにあなたは悪い人ではないと私の直感は言っている。」



「そうだな。話を聞いてたら、急に襲って来た聖騎士が悪いんじゃないかって思うよ。いきなりはいけない。いきなりはね。」


僕は先日の蜘蛛の件を思い出しながら、エミリーに伝えた。



するとエミリーは何かを決意したようだ。


「決めました。私、エミリー・ホワイトは、あなた達と共の一緒に居ます。なんでもやります。だからお願いします。」



「よろしくね。私は天使のミキエルだよ。」



「よろしく。私はリリィだ。」



あれ?なんだか仲間に加わる流れになってないか?



「剣を抜いたこいつは、マサルって言うよ。」


ミキエルがエミリーにそう伝えている。



「ちょっと待て、仲間にするのはちょっと情報が少なすぎるだろ……。」


周りから空気を読めと痛い視線がビンビンと伝わって来る。



「どうしてもダメですか?やっぱりドラゴンなんて……」


僕の手をギュッと握って来る。童貞の僕には鼻血案件だぞ。


それに無意識だと思われるが、コートから特盛のおっぱいが見える。

周囲にいる仲間達に、僕の体温が高くなっていることが勘付かれそうだ。



「もう、わかったよ。それじゃ人前ではドラゴンの姿にならないって約束出来る条件ならいいよ。」



「ありがとうございます!!精一杯がんばりましゅ。……。」


エミリーの顔が次第に赤くなる。


「「「あ、噛んだ」」」


3人の言葉に反応したのか、顔が茹でタコみたいになっているエミリーがいた。

エミリーが新たに仲間となり、現在の仲間は4人になった。



・・・



その後後日、マサル1人でダウジングマシーンを使い半日ほど歩き回ったが何もなかったそうだ。


「チキショウ!!!」

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