第12話 リリィには邪神が宿ってるらしい……。
昨夜の一件から一晩が立ち、今、蜘蛛がいる宮殿近くの森林近くに居る。
今日も太陽がギラギラしていて良い天気だ。
「我の我が力見せてあげよう。このライフルでは敵も皆無、居ないも同然だ。あ〜、この左目の眼帯が疼いてくる。く、今日はその日か、早く終わらさないと私の中の邪神が出てきてしまう。」
持って居たライフルは発射台みたいな役割を示し、弾は魔力で補うらしい。聞いたところ、魔力には限界があり使い切ると動けなくなるらしい。
弾をいちいち補充しないで良いのは良いのだが……。
「ああ〜、神よ。我がなに幸運をあれー。う、また暴れだしやがった。静まれ私の右腕。ネクロミクローーーーーーー。」
彼女はなんだ。中二病だろうか。こんな濃いのは僕の高校には居なかったぞ。まして女性ではな。
「それじゃ、蜘蛛が出たらお願いね。任せる!!」
僕はリリィにそう告げるとリリィはコクリと顔を縦に振り気を高めていた。
『ごそごそ、ごそ』
近くのフロアから音が聞こえる。
すると森林近くから蜘蛛が出て来た。これまたデカい。昨日見た軽自動車並みの大きさだ。
突然、リリィの両足に着いてある、輪っかみたいなローラスケートもどきから音がしだした。
『きゅぃぃぃぃぃぃぃん」
リリィがローラスケートぽいものに魔力を送り一言言って真上に飛んだ。
「左目、右足の紅い龍もといブラックドラゴン。静まれ、邪神の力を持つ邪気眼。我が力を持ってこの戦場に帰還する。」
1発蜘蛛を魔法銃で打ち込むと、もう1発、2発と打ち込んでいく。周辺が砂けむりで周辺が見えない。
10発打ち込んだところで蜘蛛はヨレヨレしている。
「これで最後だ。我が一撃は勝利の証なり、一閃撃滅!!」
ライフルで3発ほど蜘蛛に打ち込んだら、蜘蛛は力尽きた。
「やるじゃねーか。これは意外な戦力か。」
「フン。当然、我が邪神の前であっては敵は無力。こんなのたわいもない。」
「え?邪神!!!どこよ。そいつは。私が退治してあげるわ。」
「え、えーと。何でもないです。」
ミキエルからツッコミがきたのでリリィはうろたえた。
これは素なのだろうか?喋る中二病。包帯あげたら喜びそうだな。
そうするうちに、大きな音がしたのが原因か蜘蛛が2体ほど現れてきた。
「来たな。我が敵。神よ。我に力を与えたまえ。この大地を砕け、この聖なる力を。」
突然、蜘蛛に向かって急前進しに行った。
「ちょ、急に前進すると危ないぞ。」
そう言った瞬間、リリィが蜘蛛にライフルを向け3〜4発打ち込んだ。
砂けむりが立つ。やったか?
煙が晴れると周辺がよく見えだした。すると僕たちに衝撃な事実をつけつけられた。
蜘蛛の糸にクルクル巻きにされているリリィがいた。
「マサルー。助けてください。一生の不覚なり。」
えーー。あれだけ中二病ぽく、自信満々だったのに。今はしゅんとしている。
すると隣からも声が聞こえる。
「来たわね。私の天敵。これ以上天使を馬鹿にされちゃあたまったもんじゃないわ。喰らえ、この天使の力を込めた蹴りを。エンジェルキック!!」
ボスっと音がする。蜘蛛には効果がないようだ。
「蜘蛛ってカッコいいと思うの。私動物の中で蜘蛛が一番好きよ。」
その瞬間、ミキエルは蜘蛛の糸にクルクル巻きにされた。
「恐い。助けて!!マサル。この蜘蛛私を取って食おうとしてるの。」
くそったれ!!お前ら待ってろ!!速攻で助けてやる。とりゃーーーーーー。
・・・
クエストクリア
蜘蛛の討伐☆★★★★
討伐数5/5
グループ報酬30000シェル
個人報酬5000シェル
何とかクエストをクリアした。ミキエルは天使の羽根を出しながら、グスングスンと涙目だ。
昨日と今日と良い、トラウマが植え付けられたようだ。
「本当に天使だったのか。その姿は驚きだ。本当に翼が背中にはえてる。」
リリィが翼を見て驚きを隠せない。
そのリリィとは言うと魔力銃の打ちすぎで魔力を使い切り、僕が背負っている。胸はない。貧乳のようだ。
「何か言いたそうだな。我が邪神の力味わってみるか?」
突然首を締めてくる。力尽きているためか痛くはない。
「何でもないよ。それより、クエストクリア出来て良かったよ。ところでよ、報酬は山分けでいいか?」
「いや、グループ報酬は要らない。住むところと食べるところを用意してもらえれば。」
「「え?」」
何を言っている。こやつは。グループ報酬が入らないのは良いけど、今日の戦闘を見た限り非常に厳しいものがあった。
突如打ち込んだと思ったら突っ込む。軍人の名を疑ったぐらいだ。
リリィが両足を使い、僕を雁字搦めにしてきた。
「おい、やめろ。身動きが取れん!」
「その事を確約してくれるまでやめない。喰らえ、邪神の加護を受けた混沌の力、味あうがいい!!」
「だから、邪神ってどこよ。私がエンジェルキックで倒してあげるわ。」
「え、その、あの、……。」
ミキエルの言った言葉に困っているリリィだった。
「どうしても確約してくれないなら、……もう怒った。この策は使いたくはなかったのだがな。」
こやつは何をする気だ。何を……。
大きく息を吸うリリィ、すると町全体に聞こえるように言った。
《きゃーーーーーーーー。痴漢ーーーーーー。犯されるーーーーーーーーー。》
「やめろーーーーーー。それはダメだ。」
周りからもヒソヒソ話が聞こえる。
「奴はロリコンよ。あんな小さな子を……」
「痴漢は女の敵。許さない。」
「なんて羨ましい奴なんだ。いーな。」
「俺はおっぱいでかい方がいいかな。」
おい、2人ほどおかしな人がいたが気のせいか?
その大きな声で集まってきた住民は10人を超えてきた。
「マジやめろ!!おい。」
「確約してくれるまではやめない。この方は蜘蛛の糸で……。」
「わかった。その内容で良いよ。良いから。」
僕はひたいに汗をかきながら、その場を収めた。
周りの住民からは野次が聞こえる。
「おい、蜘蛛の糸ってなんだよ。気になるじゃねーかな。」
「新たなプレイなの。いやらしい。」
「明日蜘蛛クエ行こうかな。彼女と。ワクワク。」
僕は住民の野次を聞き流しながら、いつもの宿に向かった。
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