第7話 スタート地点後編。

お金をもらった僕たちは事なくしてギルドに着いた。今度はエルフの受付嬢が対応してくれた。

「確認しました。準備を致しますので番号3番、呼ばれたら受付まで来てください。」


待っていると準備が出来たのか次第に呼ばれ、隣の部屋に通された。

机の上にあったのはぱっと見ても、ガチャガチャみたいな機械が置いてあった。


「これは……?」僕はこの機械がなんなのか、エルフの受付嬢に聞いた。


「これは自分のステータスに応じて適正の職業(ジョブ)が出るようになってます。3回チャンスがあります。

出た職業(ジョブ)で、取れるスキルが変わってきます。」


なるほど。もう運ゲーじゃないか。ステータスは最初に見れます。ガチャを引く前この機械に手を当ててください。

平べったい平らな機械を出してきた。僕は言われた通り手を出し当ててみた。すると、急に機械が光り出し、カードみたいなのが発行された。


田中マサル

攻撃 15

防御 10

知力 55

魔力 10

素早さ 20

運 777


「知力が平均ですね。他は平均以下……。あ、凄い!!運(ラック)のこの数値は異常です。見たことがないです。」


「ですが戦闘向きではないですね。運が良いだけですね。」


悲しいことを言われた気がする。目的が魔王討伐なのに戦闘向きではないだと嘆いていると、次に受付嬢は驚きの表情を見せた。


「これは凄いですね。運が極端に低いのと知力が平均以下以外は全て平均以上です。これはガチャで良い結果が期待出来そうですね。」


ミキエル

攻撃 65

防御 60

知力 38

魔力 70

素早さ 80

運 3


こっちの堕天使の方がステータス良いじゃねぇか。

それを見たミキエルが僕に向かってドヤ顔を見せる。

「天使のステータスの高さ思い知ったかしら。私は強いの。わかる。なははははっは。」


こいつ調子に乗ったら、最初の時とキャラが変わってきてるな。

けど実際にステータスは上だ。なにも言えない。


「それではガチャお願いします。」そう言われガチャを手元に出された。


ステータスでは負けてるんだ。職業(ジョブ)では負けない!!

「おりゃーーーーーーーー。」

手に念を込めてガチャを回す。出た札は……。


『冒険者』


「あー。冒険者ですね。最弱職です。もう2回チャンスがありますが引かれますか?」

エルフの受付嬢が提案してきた。


「もちろん!!お願いします!!」その一言以外無い。


隣ではミキエルが大笑いしている。

「クスクス、クス。あれだけ念じて最弱職ってもう私より下は確定ね。ひれ伏しなさい。」


覚えてろよ。もう一回。念を込めてガチャを回す。


勢いはそのままに、札(結果)はまたもや『冒険者』。


「ラスト一回です。」苦笑いな受付嬢の声が聞こえてくる。


もう最弱職で始めるしかないのか?このステータスでやっていけれるのか?神が居るなら降りてきやがれ。もし降りて来なければ説教してやる。このクソ神野郎が!!。


その時、ミキエルが後ろを振り返った。僕も振り返った。特になにも感じなかったが、ミキエルは感じたらしい。

「良かったね。マサル。」その一言を僕に言ってきた。


僕は思いっきりガチャを回したら、ガチャのメモリの数値が変化して金の札が出てきた。


「???」

これを見た受付嬢はとっさに驚きの表情になった。

「おめでとうございます。大当たりです。特別に冒険者以外の職業を選んでもらえる権利を獲得なされました。」

「金の札は、1/10000万の確率で出る札です。よっぽどあなたは運が良いんですね。」


なんか知らないが神は僕に味方してくれたらしい。

感謝はするが、もう少し早くこい。焦ったじゃないか。


「とりあえず、なにをやれば良い?もう一度引くのか?」


大慌てでエルフの受付嬢は引くことを止めた。

「少し待っていてください。これは数分後に結果が出てきます。幸運を祈ります。」

「その間に、次はミキエルさん引きましょうか。」


次はミキエルの番になった。結果的に言うと、『プリースト』になった。スキルは、回復(小)、体力強化、異常耐性を覚えた。

もはやサポート役の天使だ。役に立たない堕天使にならないことを祈るのだが……。


そうしているうちに札の色が赤色に変化していた。

札に書いていた職業(ジョブ)は『鍛冶屋』となっていた。


「おめでとうございます。鍛冶屋ですね。金札特別報酬でハンマー等の道具一式をプレゼントします。」

「修行もしてなくて鍛冶屋ってのは珍しいです。経験がなければなれない職種(ジョブ)だったのですが……。」


だが僕は思い当たる節がある。僕が日本にいた時の事だ。幼少期や小学校の時に、ミニ四駆やエアガン等をかなり凝って改造していた時期があった。


ある時は空気圧を変更しより強力なエアガンを作ったり、ミニ四駆のモーターを軽量化したり、モーターをもう一個つけて馬力を出したりと自分なりに工夫をしていた。


まさに幼少時代の記憶がこの金札(鍛冶屋)に繋がったのではないかと僕は思った。


「最弱職でなくて良かったわね。冒険者だったら、どうしようかと思ったわ。」

ミキエルがホッとした感じをだした。


「それでは!!鍛冶屋の田中マサルさん。プリーストのミキエルさん。これからの活躍期待してます。クエストをどんどん受けていきレベルを上げられるように頑張ってください。」


2人は頭をコクリと縦に振り、ようやく魔王討伐へのスタートに立った。


・初期ステータス

田中マサル 職種:鍛冶屋

攻撃 15

防御 10

知力 55

魔力 10

素早さ 20

運 777


ミキエル 職種:プリースト

攻撃 65

防御 60

知力 38

魔力 70

素早さ 80

運 2

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