4回目:大轟寺英雄<大空の旅人>
彼は落ちていた。
「あああああああああああああああああ!!!!!」
真っ逆さまに落ちていた。
「あああああああああああああああああ!!!!!」
彼は抜群の運動神経と天才的な頭脳を兼ね備えるばかりでなく、容姿
そんな彼は、溺れている少女を助けるために川に飛び込んで命を失った。
我が子を救ってくれた少女の両親は彼に感謝し、彼の両親も深い悲しみとともに自分の息子を誇りに思った。
「あああああああああああああああああ!!!!!」
そんな彼には、私が女神として贈ることのできる最大限の力を授けたつもりだ。
極めつけは、彼にのみ扱える、彼のための武器。ありとあらゆる
「あああああああああああああああああ!!!!!」
ひとつだけ失敗を挙げるとすれば、異世界転生術を発動させる瞬間にクシャミをしてしまったことだろう。そのため、転生先の座標がずれてしまった。つまり、彼は今、高度8000メートルの上空をダイブ中だ。
「あああああああああああああああああ!!!!!」
しかし問題はない。彼に与えた能力をもってすれば難なく切り抜けられる事態だ。彼の身体能力であれば無事に着地することが可能だし、なんなら魔術を使ってもいい。
空から舞い降りた
うん。悪くない。
「ああああああ……ああ……あ………………」
叫び声が止まった。
見れば、彼は白目をむいて気絶していた。
あー。これは、無理かも。
頭から地面に激突すれば、いくら女神の加護を受けていても助からない。
私は懸命に彼が目覚めることを祈るが、それは無駄な努力だった。
何故ならば、彼の異世界生活はこれで終わってしまったのだから。
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