第二章

第二章

蘭の家。蘭が朝食を食べているとインターフォンが鳴る。

声「伊能さん、ゆうパックです。印鑑をお願いしまーす。」

蘭「は、はい、今行きますよ。」

と、玄関のほうへ移動する。

配達員「はい、伊能蘭さんへ、ゆうパックが届いております。こちらですね。受け取りの印鑑をお願いします。」

蘭「どなたから?」

配達員「えーと、望月優様ですね。」

蘭「はい、わかりました。じゃあ、これね。」

と、指定された用紙に印鑑を押す。

配達員「はい、ありがとうございます。」

蘭「どうもご苦労様です。」

と、荷物を受け取る。ゆうパックとして指定された段ボール箱に、丁寧な文字で望月優と書かれていた。

インターフォンが五回なる。

蘭「この鳴らしかたは杉ちゃんだな。」

返答もしないうちにドアが開く。

杉三「蘭、買い物に行こう。」

蘭「杉ちゃんいいところに来たね。これ、この間港公園で会った、望月優さんが送ってきたよ。何が入っているか、開けてみよう。」

杉三「へえ、今時ゆうパックで送ってくるって珍しい。今は宅配便のほうが多いのに。経費節減かな。」

蘭「それは気にしないでいいんじゃない、ちょっと待ってて。鋏を出してくる。とりあえず中に入ってくれ。」

と、箱をもって食堂に入り、テーブルに箱を置いて、鋏を電話台の引き出しから出してくる。

杉三も、食堂に入ってくる。

蘭は、鋏で段ボール箱を開ける。と、白い布で覆われた物体が二つ入っている。

蘭「丁寧な包装だねえ。」

と、布をほどいてみると、コンビニのレジ袋のような形をした、黒い革袋が出てくる。

杉三「買い物袋か。手紙が入ってる。」

と、これまた厳重に封をされ、〆のしるしのついた封筒を取り出す。蘭が封を鋏で切ってみると、丁寧な字で書かれた手紙が姿を現す。

蘭「何々、先日はありがとうございました。お礼のつもりで、この革袋を差し上げます。本当に励まされました。エコバックとして使ってください。ありあわせで作ったので、変な形になってしまいましたが、雨や汚れにも強いので長く使えると思います。それではまた、手紙を書きます。望月優。なんだか日常的に使うのはもったいないな。それほど、精巧にできているよ。この革袋。」

杉三「こんな上手に作って、なんでいじめられなきゃいけないんだろうね。僕は使ってあげたほうが本人のためだと思う。よし、今から行く買い物に早速使おう。」

蘭「杉ちゃんの発想はすごいな。これ、売りに出したらすごい高価だろうな。なんかむやみに使ったら、申し訳ない気がするよ。それだけ上手にできてるんだもの。はあ、もったいないなあ。」

杉三「よし、これを使って、心おきなく買い物をするよ。申し訳ないなんて言っていられない。こんなに丁寧に包装までして、気持ちがうんと伝わるよ。だから、使って恩返ししなくちゃ。じゃあ蘭、買い物に行こう!」

蘭「杉ちゃんは本当に気が早いよ。切り替えがすぐできるのは杉ちゃんだけだと思う。」

杉三「いいじゃない、これから使ってやるんだから。さあ早くいこう。」

蘭「はいよ。」


ショッピングモール

革袋に食材を大量に入れる杉三。

蘭「そんなに入れると破けるよ。」

杉三「いや、たくさん入るほうが、風情が出るんだ。」

蘭はあきれてため息をつく。

声「こんにちは。」

振り向くと、懍と水穂がいる。

杉三「あ、青柳教授!」

蘭「ご無沙汰してます。最近暑いですね。水穂、体は大丈夫なの?」

水穂「まあ、おかげさまでこうして買い物にも出れるからいいんじゃないの。」

蘭「そうだよな。でも、最近やたら気温差が大きいから気をつけろよ。」

水穂「蘭も一緒にな。」

懍「ところで杉三さん。」

杉三「何?」

懍「その革のカバンはどこで入手されたのですか?」

杉三「あ、これ?」

懍「ええ。百貨店でも行ったのですか?それともオーダーメイドで作っていただいたのですか?」

杉三「いや、これはもらったのです。僕の友人から。」

懍「誰からもらったんですか?これは非常に珍しいハラコと呼ばれる革です。いわゆる最高級な革ですから、熟練した職人でなければ製作は難しいでしょう。」

蘭「どんな動物からとれるのですか?」

懍「はい、牛革の一つですが、死産した子牛や、出産前に死亡した牝牛の体内にいる子供の革です。現在は出回らないことが多いのですが、これは間違いなくハラコですよ。それをここまで精巧に加工できるということは、製作者は、解放令の出る以前、死亡した牛などを買い取って、カバンなどに加工していた者だったのではないでしょうか。革細工はうまければうまいほど、そういう階級の人であることが多いんです。」

蘭「なるほど。それではやっぱり持ち歩くのはやめたほうがいいということになりますね。

極端すぎるかもしれないけど、日本ではそういう技術は、嫌われる技術でしたからね。なんか、これだけ上手に作ってあるんだから、持ち出してもいいやって思うけど、牛の死体を買い取って、しかも高級なものを作れれば作れるほど、卑しいとされてしまうという事実があぅたわけですから、やっぱり作者がかわいそうですよ。」

水穂「そうかな。僕は違うと思いますけどね。もちろん、ハラコが取れるというのは確かに特定の身分の人しかできなかったし、それが卑しいとされていたのは事実ではあるんですが、その周りにあるものに目を向ければ、そういう過去をもってる人だからこそ、できることがあると思うんですよ。僕は、製鉄所でいろんな人を見てきましたが、以前、苗字のことでいじめられたり、体の特徴などでいじめられたりして、やってきた人もいましたよね。以前であれば、そういうことでいじめられることは、あまりなかったのですが、今の時代は変えることのできないものまでいじめの対象になる時代です。それに傷ついてこちらにやってくる人が後をたちませんよね。いじめから立ち直るには、同じ経験の人と出会うしか方法はないんです。だから、そういう過去を持っているひとこそ、その時に役に立つと思いますけど。」

杉三「水穂さんいいこと言う!そうすれば、あの人も役に立つぞ!ねえ、何とかして、製鉄所にかかわれるようにしてあげられないかな。青柳教授、何とかなりませんか?」

懍「そうですね。製鉄所では、話し相手になってもらえる人物は、いくらいても足りないくらいですからね。」

杉三「じゃあ、雇ってもらえない?」

蘭「杉ちゃん、何を考えているんだ?」

杉三「うん、あの人に製鉄所を手伝わせるの。」

蘭「たたら製鉄を?」

杉三「そうじゃなくて、傷ついた人とかかわってもらうの。」

懍「杉三さんの言いたいことはわかります。じゃあ、その方と一度挨拶したほうがいいですね。」

杉三「手紙を送ろう。」

水穂「あれ、電話とかはないんですか?」

杉三「いや、手紙しかないんだよ。」

懍「ええ、革関係の仕事をしている人は、そういう方が多いでしょう。その身分の人は、あまり経済力はなかったでしょうからね。それではその通りにします。」

蘭「いいんですかね。勝手にご住所教えてしまって、、、。」

懍「手段がないわけですから、それは仕方ないことです。僕が、依頼書を書きますから、蘭さんは手紙とそれを添えて送ってください。ここであった顛末もしっかり書かなければならない。文章で状況を伝えるのはなかなか難しいことですが。」

蘭「そうですね。せめて、電話だけでもあればいいんですけど。わかりました、手紙を書きます。」

杉三「じゃあ、ここで書いてしまって今出してこよう!」

蘭「杉ちゃんかけないのに、仕切るなよ。」

杉三「いいじゃない、善は急げ。」

懍「まあ、確かにそうですね。その方は、自分に自信なんてほとんどないでしょうから、早く依頼したほうがいいかもしれません。じゃあ、便箋を買ってきます。」

と、文房具店のほうに向かっていく。

ショッピングモールの休憩スペース。懍は丁寧に依頼書と題付した紙を書いていく。その中には、来週の日曜に、こちらへ来てくださいという文字。

懍「かけましたよ。」

蘭「僕もかけました。」

杉三「僕の言葉も代筆してくれ。決して君は必要のない人間ではないんだ、必ず来てね、杉三より、と。」

蘭は便箋の端にその通りに書く。

水穂が用意した茶封筒に、二人の書いた書状を入れて、丁寧に封をし、〆を付け、鳥の切手を貼る。

蘭「大体こんな感じかな。」

懍「ここ、ポストあるから、出していってしまいましょうか。」

と、封筒をもって、正面入り口へ行き、入り口のそばにあったポストに投函する。

蘭「来てくれますかね。」

杉三「いや、来てくれると思う。」

蘭「だといいけどね。」

杉三「必ず来るよ。」

懍「とりあえず、帰りましょうか。」

蘭「そうですね。」

全員、それぞれの方向へ戻っていく。


そしてその日曜日。

杉三の家。

杉三「蘭、地図書いた?」

蘭「書いたよ。その質問、もう何回したと思ってるの?」

杉三「だって、読めないんだもの。」

蘭「そうなるよねえ、、、。ただ気持ちだけで生きているようなものだからね。杉ちゃんは。」

と、インターフォンが鳴る。

声「こんにちは、、、。」

杉三「来た!待ってたよ!あがってきてくれる?」

優「本当にいいんですか?僕みたいなので、、、。」

杉三「だから僕みたいなのっていう発想はやめろ。さあ、青柳教授のところに行こう。」

蘭「じゃあ、タクシーを呼んでくるか。」

杉三「頼むね。」

数分後にタクシーが到着したので、杉三たちはそれに乗り込んで製鉄所に向かう。


製鉄所の応接室。

水穂「誰かが来たみたいですよ。」

懍「どうぞおはいりなさい。」

というより早く杉三が入ってくる。

杉三「青柳教授、連れてきました。望月優さんです!」

懍「ようこそいらっしゃいました。依頼書を書いた青柳です。どうぞよろしく。」

と、右手を差し出す。杉三に促されて、優はその手を握り返す。

水穂「今お茶もって来ますから、どうぞおかけください。」

と、彼を応接室の椅子に座らせる。懍が車いすで彼と向き合う位置につく。

優「あの、僕はどうしたらいいのでしょうか。ここでなら、立場をいかせられるとお手紙に書いてありましたので、やってきた次第なんですが。」

懍「ええ、その通りですよ。ここに来る寮生たちは、ある意味宿命的なものと戦う者も多いですからね。現在は、変えることのできないものまでいじめの対象になってしまいました。

それでも、生きていかなければならない者たちにとって、あなたのような存在は、非常に役に立つでしょう。ここで、単にボランティア的な話し相手になるだけでも十分助かりますし、その高度な革工芸の技術を披露してもいいです。あなたのことだから、彼らを傷つけた教師や家族のような指導はしないでしょう。」

優「どうしてそんなお偉い方が、僕のような賤民を使おうとお思いになるのでしょうか。僕から見たら、きっと、何か裏があるのではないかと、正直疑ってしまいます。」

杉三「それだからこそ、役に立つんだ。」

優「事実、そうだから。」

杉三「でも、いまは違うよ。」

優「違うって、そんな時代来るわけないですよ。すくなくとも、この日本にいる限りは。」

懍「いいえ、あなたは気が付かないだけ。少なくともこの施設には、今の世の中を楽しく暮らしているものは存在しないでしょう。この施設は、傷ついた人の集まりです。でも、周りのひとは、他人のことなど気にする暇もありませんから、彼らはさらに、行き場をなくし、挙句のはてに自殺ということもあります。あなたも、そうだったんじゃないかな。だから、同じ過去を持った人間の存在は非常に貴重なんですよ。だから、ここに来ていただきたい。」

優「そうですか、、、。お役に立てるのなら、お手伝いします。なんの役に立つのかわからないけど、僕も仕方なく生きているようなものなので。」

懍「では、ひとつお願いが。」

優「なんでしょう。」

懍「決して、あなたを否定しているわけではありませんよ。ただ、お願いとしていっているだけで、強制ではありません。ここにきてもらう以上、連絡は必要になりますので、スマートフォンか携帯電話はもってもらいたいですね。手紙では、返答が遅れすぎる場合もあるますからね。」

優「そ、そんな高いお金なぞ、」

水穂「白ロムで買うと安く買えますよ。電話くらいだったら、性能的には問題ないことが多いし。」

優「でも、維持費が、、、。」

水穂「意外に安いプランもありますよ。格安SIMとかね。一度、店に行ってみたらいかがですか?やっぱり、働いてもらう以上、連絡を取るということは、多かれ少なかれあると思いますから。持っていたほうがいいと思う。」

優「それはそうなんですけど、」

水穂「まあ、はじめのころは、大変かもしれないけど、うまくやりくりすれば、意外に安いものです。それに、いろんな人たちとリアルタイムでやり取りできるようになったら、お金を払うよりも楽しいことは見つかりますよ。その楽しさがわかれば、お金を払うのも苦しくなくなるんじゃないでしょうか。」

優「そうですか?」

水穂「わからないところは教えるから。」

優「わかりました。買いに行ってみます。」

懍「じゃあ、こちらへ、来てくれますね。」

優「ええ。」

杉三「やった!これでうまくいった!」

蘭「まあ、とりあえず円滑にできたからよかったよ。」

懍「じゃあ、製鉄所の寮生たちに声をかけて来てください。」

優「はい。」

水穂「じゃあ、一緒に行ってみましょうか。」

二人、立ち上がって応接室を後にする。

廊下を歩く二人。左右に、萩の間、桜の間、などと書かれた居室がある。

水穂「寮生はこの部屋で生活するんです。食事は、自炊してもいいし、食堂で食べてもいい。必ず製鉄の作業に加わらなければいけないということはなく、ここから仕事や学校に通う寮生もいます。」

優「そうなんですか。」

中庭のほうを見ると、製鉄作業が行われている。鞴を動かす者、砂鉄を投入しているもの、木炭を追加したり火加減を見るもの。それぞれの役割が固定され、村下の指示に従って作業をしている。

水穂「すごい原始的な製鉄法なのかもしれないけど、ああして作業をしていると、何かしらの役目をもらうことができるから、それが面白いそうです。なんでも手作業でやっていた、古くからある製鉄ですよ。」

優「作った鉄はどうするんです?」

水穂「持って帰ります。記念品として。ご存知の通り、本当に少ししか鉄が得られませんから。有名なあの映画では、悪事のように書かれていましたが、そんなことはないんですけどね。」

優「役に立つんですか。」

水穂「ええ。役に立たたないように見えても、役に立つこともあります。だから、何でも無駄なものは何一つないですよ。」

二人、食堂へ移動する。女性たちが、おしゃべりしたり、何か食べたりしている。

寮生A「あ、水穂さん。今日、職場でね、」

水穂「ああ、新しいお手伝いの方をご案内しているので、もう少し待ってて。」

寮生は千差万別であった。明るい表情をしている者もいれば、まるで気力のない者もいる。

寮生B「新しい方ってどんな人?」

水穂「この人ですよ。」

寮生A「お名前は?」

優「望月優です。」

寮生B「望月優さんか。何かわけがあってここに来たの?」

優「わけがあってというか、偶然というか。杉ちゃん、いや、杉三さんに誘われて。」

寮生A「杉ちゃんの紹介ならあたしたち大歓迎。自分はめったにこっちへは来ないけど、いい人を連れてきてくれるの。仕事とか何してるの?」

優「革細工。」

寮生B「革細工?じゃあ、お財布とか作ったりする?」

優「はい、しますよ。」

寮生A「バックも?」

優「はい。」

寮生B「旅行カバンなども作れるの?」

優「作れますよ。」

寮生B「買い物袋は?」

優「作れますよ。」

寮生A「あのさ、お母さんの誕生日がもうすぐだから、カバンとか作らせてくれないかな。素人にはむりかな。」

寮生B「いいじゃない。あんたがプレゼントあげれば、お母さんだって笑顔を取り戻してくれるかもよ。」

寮生A「だから教えてよ。うちのお母さん、私がぐれたせいで、すごく暗い人になってしまったから。本当は私も罪悪感あるのよね。口で言ったって伝わらないし。だから物品のほうがいいかもしれない。」

優「わかりました。じゃあ、明日道具を持ってきます。本当にいいんですか?革細工なんて、大した仕事じゃないですよ。僕たちは、ろくでなしの汚い職業だと何回言われただろう。」

寮生B「私はそうは思わないけど?革のカバンなんて、今ではたくさんあるし。デパートとかに行けば、たくさん売ってるし。」

寮生A「そうよね。それに、今はレザークラフトともいってさ、いろんなところで教室もあるみたいだしね。」

優「そ、そうなんですか?」

寮生B「そうですよ。だから、革を扱うって何にもろくでなしなんかじゃないですよ。」

寮生A「手作りで、お母さんにプレゼントあげるのは、ろくでなしになっちゃうの?ちがうでしょ?」

優「ま、まあ、それはそうですけど、、、。」

水穂「だから、時代も変わってきているんですよ、望月さん。」

寮生A「じゃあ、明日、道具をもってきてね!」

水穂「ほら。」

優「わかりました。じゃあ、そうします。」

寮生A「やった、じゃあ、仕事行ってきます。」

優「えっ、今から?」

寮生A「私、介護施設なんだ。こう見えてもね。今日は夕方から勤務なんだよね。」

水穂「ああそうか。あまりむりをしないで、気を付けて行ってきてよ。」

寮生A「わかってるわよ。でも、楽しみができてよかった!じゃあ、行ってきます!」

優「頑張って行ってきてください。」

寮生A「ありがとう!」

と、食堂を出ていく。

寮生B「じゃあ、私は勉強するかな。」

優「受験生?」

寮生B「ううん、違うよ。受験は嫌い。そうじゃなくて資格をとるためのね。」

水穂「高校とか大学受験は、他人のためにやるけど、資格取得は自分のためにある。それに気が付けば大丈夫ですよ。」

優「ああ、なるほどね。頑張ってくださいよ。僕は、資格すらとれない。」

寮生B「ありがとう!」

彼女も食堂を出ていく。

再び廊下を歩く、水穂と優。

優「驚きましたよ。ああして若い女性が、僕に声をかけてくるとは。まったく想像もつかなくて、返答に困ってしまいました。」

水穂「ええ、まあ、だれでも最初はそういうんですよね。でも、彼女たち、外で暮らしていたら、働くことも勉強することもしないでしょうね。なぜできるかっていうと、そういう仲間がいるからですよ。誰だって、変人扱いされていたら、生きようなんて思えないでしょ。そのためにも、手伝ってほしいな。」

優「そうですか、、、。僕みたいなのかできるんですかね。」

水穂「きっと、できるようになれますよ。成長するのは教えられる側だけではありませんから。」

優「そうですか、、、。」

二人、応接室に戻ってくる。懍と杉三が何か話している声がする。

水穂「あの杉ちゃんだって、現実世界では生きていくのが非常に難しいのではないでしょうか。でも、見方変えれば、彼の発想も頷けることはありますし。」

優は頷かずにいられなかった。

水穂「ただいま戻りました。」

杉三「おかえり。」

懍「何か、発見はありました?」

優「いや、まだわからないですけど、ここで一生懸命やっていこうと思います。」

懍「本当にどうもありがとう。じゃあ、もう泣き言は言わないでくださいよ。」

優「はい!」

と、言って一礼する。

蘭「ひとまず帰ろうか。」

と、スマートフォンをダイヤルする。









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