breathless


生まれ落ちたばかりの頃


息をするのが

こんなにも苦しかっただろうか

手を伸ばすのが

こんなにも苦しかっただろうか


泣きわめくことしかない

あの頃の僕は

何もできなかったはずなのに


何だってできるはずの

今の僕は

息をすることだってままならない


何も手にしていなかったあの頃は

いつだって体が軽かったのに



世の中の人が欲しがるもの

手に入れれば手に入れるほど

青空を飛ぶための

羽根になると思っていたのに


気づいたら僕は

僕が持っていた小さな羽根すら

失っていた



僕は精一杯息をする

空を飛ぶ夢はもう見られないけれど


今はただ裸足のまま歩きたい

誰も知らない場所で

何も持たない、あの頃みたいに






 

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