滴
空は鈍色。
落っこちてくる数多の滴は
何色にも染まらない
規則正しく音を立て、
この地上に落ちてくる
僕は知っている
地に落ちれば、
土に染まり、
靴に踏みつけられ、
泥水になるしかない
泥水になったそれを、
僕はこよなく嫌うのに、
その滴が
僕の傘にぶつかり
跳ね
音を立てるたびに
それは
僕の心に
沁み込んでいく
もう叫べない僕に
もう誰とも手を繫げない僕に
幾千の滴たちは
ただ寄り添う
泣きたくなる
今なら
彼らが隠してくれるだろうか
弱さを曝け出した
僕を
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