第123話 その儚き現実に

人気のない路地裏

冷えたアスファルト

薄く張った氷に

反射する朝日


淡い月の影

頬を刺す風

凍える指先が

掴もうとする幻


取り壊したビルの跡

そこに眠る意識は

深く深い闇の中

眩い破壊の夢を見る


触れれば壊れそうな

その儚き現実に

ほんの少しの涙を

かすかな温もりを持って



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