第119話 空の欠片
ふわふわと舞い落ちる空の欠片は
重力のなすままにひらり水面に消えた
それを見ていた私は遠くに手を伸ばし
届くことないその白を手に入れたいと願った
ああいつもないものねだりばかり
いつまでも握りしめていたいそれは
この手に掴んだときにはもう
形を失っているというのに
空の一部を受け入れながらも
川はいつもと同じ表情で淡々と流れ続ける
それがどうにも歯がゆく思うのは
受け入れることすらままならない私だけで
ただ空は無言でひらひら降り続ける
ただ空は自由にふわふわ降り続ける
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