第112話 2000年

2000年を迎えたとき

世界が終わると多くの人が大騒ぎしたけれど

終末の恐怖を孕んだ王様は

どこからも降ってくる気配はなく

別に何ら変わらない日々を

今も私たちは生きている


それでももしこの世界に

本当に限りがあるのだとしたら

今この瞬間にも私たちは

終わりに向かってるってことで

そんなこと思いもよらない日々は

やたらと吞気でなぜだか少し悲しくなる


終わりが来ればこの体は

一体どこに行くんだろう

その瞬間は痛みとか恐怖が

この世界を覆い尽くすのかな


できることならいつも通りに

普通の時を暮らしたい

できることならいつも通りの

あなたの笑顔を見ていたい


2000年を迎えたとき

地球が壊れると多くの人が大騒ぎしたけれど

普通に仕事して学校に行って

日常はいつでもすぐそこにあって

この愛しい日をできれば守っていきたいから

今日もまた終わりを感じながらこの時を抱きしめる

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