第81話 ある秋の日
知らないうちに色づいていた
公園の木々を見ながら
何一つ変わることのない
自分の足下を少しだけ
疎ましく思ってしまうこの
みにくい感情をどうにか
この胸の中でやり込めて
ほっと息をついた秋の日
取り残されたくないとか
どうにか追いつかなきゃとか
あがくこの両手の指先は
感覚もないほど冷え切って
こんな手じゃ何もつかめずに
時間が指の間をすり抜けて
こぼれ落ちるため息は白く
儚く壊れて宙に消えた
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