第56話 川沿いで

風に吹かれながら

秋の花を探す

川沿いで

聞こえる水の音


ゆらゆら揺れる葉は

ささやかな音をたて

懐かしい

少年の日のように


流れゆく水の色

陽の光を映し

きらきらと

表情を変えて


遠くにかかる橋

この川を飛び越える

日がいつか

来ると信じてた


あの頃の純粋は

小さなトゲとなり

この胸を

チクリと刺すけど


そんな痛みさえも

どこか暖かくて

抱きしめる

この川沿いで

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