第49話 追いかけっこ
夕暮れの道 トンボの群れ
黄色く染まる山の端に
ほんの少しの寂しさが
淡くにじんで消えていく
遠回りして歩くのは
時に追いつかれないように
背筋伸ばして前を見て
弱い自分を押し隠す
一番星を探しながら
空を見上げて目を閉じて
まぶたの裏に映るのは
ただやわらかい思い出で
振り払うように歩き出す
時に追いこされないように
今暮れていく山の端に
月の光があふれゆく
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