170727「もう帰れなくていいのに」60

「うぁ……」

 自分では怖くて触れない深い部分に触れられ、私は思わず声を漏らしてしまった。産まれて初めての感触が存外心地よい。更に深く入れられたら私は戻れなくなるかもしれない。

「これ以上は無理だよ」

 もう帰れなくていいのに、彼はそんな意地悪を言って耳かきを抜いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

毎日掌編 葉月 弐斗一 @haduki_2to1

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ