170723「君はあの人の代替品」56

「やめて……」

 目の前の少女は、竦んでいた。目の下に涙を湛えて命乞いしている。

「その出来損ないを始末しなさい」

 背後からの命令と同時に、銃声が響いた。脇から背後に向けた銃口が硝煙を吐き出す。

「なん、で?」

 僕にもわからない。君はあの人の代替品だった筈なのに。

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