170712「私は私を諦めます」45

「質問だ。君の乗る船が座礁した。救命ボートの定員は残り一名。船に残っているのは君と恋人の二人だけ。君たちならどうする?」

 司会の男はこんな質問をしてきた。皆思い思いの理由を答え、私の番が回る。

「私は私を諦めます」

「なぜだい?」

「最後まで残ってるのは船長でしょ」

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