170613「死なない君が欲しかった」16
「君もダメだったか……」
嘆息をついて青年は手術台を見た。手足を拘束されたミイラが横たわっている。数時間前まで生きていた人間の姿とは思えない。眉間に埋め込まれた球体が止めどなく血を吐き出している。
「死なない君が欲しかったよ」
球体を引き千切るとミイラを廃棄した。
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