降り続く景色

ゆっくりとゆっくりと注がれていく

あの高い高い空から緑の大地へと

やさしくそれは注がれていく


僕は窓から見ていた

曇り空を眺めていた

雨粒たちのうたを聴いていた


どこまでも

どこまでも

続く水彩画


家に閉じ込められて

部屋に閉じ込められて

今日はお気に入りの曲を流し続けよう


静かな静寂

誰にも邪魔されない時間

それでもすぐ眠りにつくのは勿体無い気がして


窓の外は相変わらず

朝だか昼だか分からない明るさで

時計だけが正確に今の時間を告げるよ


傘を差して歩こうか

雨の景色を歩こうか

水たまりたちを観察しようか


ゆっくり

ゆっくり

降り続く空


昼なのか日暮れなのか分からない明るさ

もうそろそろお気に入りの番組も始まる頃かな

今日は一日代わり映えのしない景色の中で


続く

続く

降り続く


ざああ

ざああ

ざああ


明日の朝には止むだろう

目覚めたら水たまりたちにそれぞれのお日様

それまではずっと 夢の中までもずっと


ゆっくりと

静かに

それは休む事もなく

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