冬の魔法

ふわふわと ふわふわと

空を染めながらやってくる

山を染めにやってくる

野を染めにやってくる


どんよりとした雲がさっきから

重く重く垂れ込めて

もうそろそろかと思っていたよ

天気予報で予言されていたよ


風が止んで

午前中の青空が嘘みたい

もういつでも準備OKだから

首が痛くなるまで天を仰いでいるよ


ふわふわと ふわふわと

それはまるで天使の羽のように

ゆっくり優しく降りてくるね

手のひらでじんわりとけていくね


少しずつ隠れていく街並は

まるで魔法使いにかけられた魔法

白く白く白く

やがてそれは全てに


犬は犬小屋でじっとしているよ

猫は外も見ずにコタツで丸くなっている

あの森に今も居る筈の狸たちは元気にしてるかな

僕は久しぶりの雪化粧に少し興奮してる


ふわふわと ふわふわと

白い精霊はまだまだ世界に降りてくる

この分じゃ彼らに支配されるのもじきだろう

そうして白くまぶされて月の光が反射するのだ

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