第89話:「落ち」の悪癖あれこれ
前回は大まかに「こういうタイプの落ちがあるよね」と、思いつくままを気楽に書いたのだが、自作をまとめて読み直してみると、似たパターンの落ちがあることに気づいた。
一つは「自分の心が相手に悟られていた」と最後に判明するというもの。
これは自分で選んだ15編のうち、2作がそういうパターンなのだと気が付いたので差し替えた。
しかし、自分から言わなければ分からないような、微妙な似方である。
もう一つは「上空から何かが振ってくる」という図が結末の大きな特徴になっているもの。
これも自分以外には気づかれにくいようなレベルである。しかし、その2作を同じ本には入れたくない。
考え方やイメージの好みがあるので、どうしても似た部分は出てしまう。「個性」と「癖」は同じコインの表と裏のようなものだとも言える。
さらに失敗気味の落ちとしては、「来訪者が実は〇〇であった」といった系列もあった。自分で書いたので、言いたいことはわかるのだが、やや説明不足と感じられた。
たとえば幽霊であると言いたいのなら「足がない」とか「ふわふわして、向こうが透けて見える」くらいのことを書かなければいけないなと反省した。時間を置いて読んでみると、自作でも考察の対象になるものだ。
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