小さな毎日

@ramuneyatuhashi

第2話

大学へと向かう私はただぼうっと空を眺め、沈んだ気持ちのまま道路を歩く。

サラリーマンや同じ大学に通っているであろう生徒が見受けられる。同じ人間でもこうも違うのかと自分に感心しつつ悲しくなった。

私はもともと好きなものも、興味を持つようなもの、しまいには趣味すらなく、高校の時にクラスの女子に普段何してるの?と聞かれた時には返事に困ってしまうほど、何にも関心がなかった。自分でも何か好きになれるものがないか探してみたが本を読むくらいしか

趣味がない。今時本を読むのが趣味だなんて

言っても大学生相手なら軽く馬鹿にされてしまう。大学生は遊ぶのが趣味の生き物だから。大学前の信号を待っている間今日の夕飯は何にしようか考えていると空が曇ってきた。天気予報をちゃんと見ておけばよかったと思いつつ雨が降らないことを祈った。

信号が青に変わり大学へと歩みを進めた。

1コマ目の講義室へと向かい歩くが足取りが重い。やはり大学なぞには進学するべきでは

なかったのかと頭の中で考えが巡る。考えすぎればまたお腹がキリキリと痛みはじめる。

ネガティブな考えしかないこのポンコツ頭は

どうにかならないものか。講義室に着くと

やはりそこは騒がしい。朝から元気なものだ。大学生という生き物はとても騒がしい。

大学は遊びに来る人もいるということを高校の頃は信じてはいなかったが大学に入ると

結構な数がいて心底驚いた。大金はたいて遊びに来るとは考えられないが、実際にいるのだからなんとも言えない。窓際の誰もいない席に座り、講義が始まるのを待った。



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