日常×成果

 学園祭準備のときに話したことをきっかけに彼はすれ違うと挨拶をしてくれるようになりました。普通の人からしたら一歩前進とも言えないような成果ですが、私にしてみれば知り合いになれたことでもう心が締め付けられるように幸せでした。


 それからというもの、彼は律儀に私に挨拶してくれるようになりましたが、もちろん他に彼との共通点はなく、つまりそれ以上の進展もありませんでした。恋に積極的な人でしたら自ら話しかけるのでしょうが、私にはそんなことはできませんでした。


 

 そのため、日々部長に進展を聞かれますが、話しかけるようなことができない私が話すようなことはありませんでした。


 それに対して部長は不服そうな顔をよくしてました。きっとからかえなくて面白くなかったのでしょうね。それとも私が積極的ではないことに業を煮やしていたのでしょうか。


 今となってはそうかもしれないと思えますね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る