勝手になくなるのが、失うということ

遮断機の前で通りすぎる電車を待つ

一五秒後、風を巻き上げて進む電車が僕の前を横切った

レールの上には真っ赤な血

立ち止まってるうちに だれかが身を投げ死んでた事実


赤は叫びの証明


もしそれが大事な人のものだとしても

気づかずにいるんだ僕たちは


情報こそが感情だ 


血だけじゃ赤の他人のものだけど

死んだだれかの身元を知って

はじめて帯びる違う意味


僕の気づかぬところで

だれかが死んでいる


だれかの気づかぬところで

僕も そうさ 息絶える

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