裏切り続けているのは常に今の自分だ

変えられない後ろばかりを気にして

前がどっちか わからなくなった


花火の残響を頼りにして

蛍を見つけて 捕まえて

これさえあればと呟いて 

かすかな光を磨き続けた


はじまりが終われば

今では立派な灰色だ


夏と冬は暑いか寒いかの違いでしかなくて

心の形は不安定だからこそ一定だった

蛍は光を放つのをやめている 

後悔ばかりを食べている

こうなるにはこうしたらいい

引いた線を外れてばかり

花火を眺めてばかりいる


欲しかったのは普通だったか

欲しかったのは特別ではなかったか

僕は、どうして、ここにいる?


僕 は

ど う し て こ こ に い る ?


自分を裏切り続けたら

手にできるのはなんなのか


一生 無意味を引きずり倒すか

光らぬ蛍を握りしめて


それで僕は満足か?

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