ないものねだりがすべてのはじまり

藤原翔

あぐらをかきながら拳銃を持っている君に

頭のなかは空想まみれ

欲望の集積場は 好きも夢も思うがまま

どこにもない心地いい季節に住んでいる

僕が期待通りに動く世界

ディスプレイに映る空想家が同じ人間だなんてだれが思うだろう


あぐらをかいて丸まった背中

床に転がるゴミ

歯磨きさえも億劫なくせに

青い愚かさを捨てきれずにいる


歳だけが正しい数字

生きた証と同じだけ僕はあがいただろうか


欲望の集積場にいるのは理想の僕だけではない

あぐらをかいた僕が拳銃を持って理想を殺している


なりたいと叫ぶ声が消える前に

あぐらをかいた君を 拳銃で撃て







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る