指切り

あの日、僕はあの子と一つの約束をした。

何物にも代えがたい、とても大切なあの子と結んだ最初で最後の約束。

その約束は今でも変わらない。

綺麗なあの子の手を取り、語りかける。

「もう一つ約束を増やしていいかな」

と、小指を結ぶ。

「僕が死ぬまで、ずっと一緒だよ」

冷たいあの子は返事をしなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る