姉と妹が恋してる?!

天魔 ハルニャン

第1話 俺のおかしな姉妹

カーテンが風に揺られ、光が差し込んでいる

小鳥が軽やかに音楽を奏でる。チュンチュン♪チュンチュン♪…

廊下はパタパタと足音が聞こえる。

あぁ、そろそろ母が大声を上げ起こしてくれるだろう

母がドアを開けて声を出した瞬間、俺は身を起こす。


「おはよう母さん、今日も起こしてくれて-」

ん?何か腕が重い。

腕を確認すると、姉と妹が俺の腕に捕まって寝ていた。

この状況に母が口を開けて突っ立っている。

ようやく我に帰った母が、指を俺に指し言う。

「アンタ…それ何?」


とても難しい質問だ。だってこの状況を、俺は説明出来ない。心当たりがないもん。

「えーとね…」

何とか声を出したが、この状況を誤魔化すのは至難の技!さて、どう誤魔化す…


突然、腕が軽くなる。

横を見ると、姉と妹がヌクッと起き上がっていた。


「あ…お兄ちゃん、昨日は楽しかったね」


「おはよう、春人♪昨日は楽しかったわね」


それを聞いた母はものすごいスピードでドアを閉めた。

3人だけの空間になった。妹と姉がニッコリした笑顔で俺に抱きつく。


「お前らなぁ…」

これから俺はどうしたらいいんだ。

母にヤバイ疑惑を残した最悪の朝である。


紹介が遅れた。俺の名は桜井 春人(さくらい はると)

現在は小説とアフレコに挑戦している。

極普通の高校2年生だ。

そして問題の姉妹を紹介しよう。


姉は 桜井 優菜(さくらい ゆうな)

高校3年生

気持ち悪い程のブラコンである(俺が対象)

欲しい物があれば買ってくれるし、俺が寝る時は添い寝をしようとしてくる。

いつだって弟loveな姉である。

しかし、最近は姉の様子が変で気になっている。俺と同級生の女子が一緒に帰っていた時、後ろで1人だった姉が嫉妬するかのような目で見てきたのだ。

家に帰れば

「春人…あの子誰?彼女なの?」

姉は今に泣きそうな顔で言ってきた事を覚えている。

弟への熱過ぎる愛とは別の顔だった。

その事があってから少し姉が気がかりだ。


妹は 桜井 有希(さくらい ゆき)

中学3年生

金髪のツンデレだ。

基本的には話してもツンが返ってくるが、時々デレを見せてくれるよく居るツンデレだ

昔はかなり冷たい性格で、俺の事は無視されていた。しかしある事件を境にとても素直になった。


後、言い忘れたけど…この2人はとても美少女である。

俺とは似つかないレベル

姉さんは『小熊高校最強の美少女』と呼ばれている。

妹の有希は『小熊中学校の美少女』と呼ばれている。

そして俺は『芸術の春人』と呼ばれている。

何故か俺だけ外見については評価無しだ。

まぁそれは置いといてだ。

この近辺で『美少女姉妹』と呼ばれるこの2人、どう仕様もなく朝が騒がしい。


俺は朝の出来事について姉妹に説教をする。

「違うもん!私はその…そうよ!優菜お姉ちゃんに嵌(はめ)られたのよッ!」

妹の言い訳

「何を言ってるの?!有希だって『仕方ないから私も行くッ!』とか言って乗り気だったじゃないッ!」

姉の言い訳

そして俺の結論

「朝から誤解を生むような行動はするなぁァァァ!」


2人にゲンコツを入れてやった。

2人は涙目である。しかし罪悪感など1ミリも無い。なぜならこの展開、もう100回以上は超えている。毎朝母に疑われ、姉妹にゲンコツを入れ、学校へ行く。これが俺の1日の常識となっていた。

「お兄ちゃん!ちょっと妹にするゲンコツの威力じゃないよね?!」

「そうよ!そうよ!実の姉にゲンコツを入れるのって男してどう?まぁ弟に殴られるのも悪くは無いけどね♪」

珍しく姉妹の意見が合っている。こういう時だけは仲いいよな…

後、姉さんの言葉に鳥肌が立つわ!怖ぇよ!

ブラコン通り越してドMだわ!

「あっ、もうこんな時間!」

「あらあら、そろそろ行かなければね」

2人は正座の体勢から立ち上がる。しかし2人ともまともに歩けていない

「あ…(察し)」

説教の間、ずっと正座の体勢にさせてしまった事に少し罪悪感を感じた。



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