ブライド



真っ白なドレスを身にまとった君は、昨日の君とはもう違う。


かける言葉もない、ただ一人君の幸せを祈れない僕だけが

きっとこの会場に相応しくないたった一人の人間だった。


おめでたい言葉に流す涙

辺りを包む暖かい拍手

幸せを誓う神父でさえも


全てが君の為のものだと思うと、ひどく吐き気がした。


六月の雨に君を見つけて

「どうか君だけが幸福でありませんように。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る