安時計

歯を磨いて,窓から入る朝日に目を細めてたら

昨日居酒屋に忘れた安時計を思い出した

ホットミルクを飲んで,若者の歌を聞きながら

私たちが若者と呼ばれなく未来を夢想する


色んな人が私やあの子の横を通り過ぎていった

どんどん遠くなる 私とあの子の道

どんどん見えなくなる 約3°ほど傾いた道

これからも色んな人が通り過ぎて行くだろう


ああそういえば,昨日居酒屋に忘れた安時計はあの子がくれたものだった


窓から見える木が丸裸になる頃 きっと私は無性に電話をしたくなる

空の雲がますます重たくなる頃 きっと私は安時計を買いに行く

もっと良い時計が見つからないうちに

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る