巡り


いつからかそこにいた

虫の鳴く空の下にいた

とうとう居座って

あの子は家族になった


縁側で寝ころんでいた

白い息を目で追っていた

大きく欠伸をして

いつしか眠っていた


いつでも変わらずそこにいた

囚われずに生きていた

穏やかな日差しを浴びて

あいつは大きく伸びていた


一つ鳴いたんだそうだ

二つ鳴いたんだそうだ

ゆっくりと息をして

あいつは先にいった

初夏のことだった

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