第17話元勇者がたおれている間のことを聞く。魔王学校 1年目(4月16日)
薫は、ユイの誤解を解くために説明をした(誤解していた内容は、薫がユイに『何ができる?』と聞いたことに対して、ユイが薫にエッチなことを求められたと誤解してしまったこと)。
ユイは、顔赤らめ、下を向いている。
そんな中、またドアが開いた。
なんだか訪問者が多いなっと思っていると、来たのはフミだった。
「どうして戻ってきたのですか?」
薫は、驚いた表情を作って聞いた(また、借りを作ることになっては大変だ。ボロを出さないようにしなければと、内心ビクビクしている。俺って、こんなに弱気な男だったのか?)。
「ちょっと時間をあけて戻ってきたら、また2人がエッチなことをしているんじゃないかと思い、チェックしに戻ってきたのだよ。
なんだか、ユイの顔が赤いようだが、こそこそと変態プレイでもしているんじゃないか?」
「先輩。
言ってて、先輩の方が恥ずかしくないですか?」
(やべっ。つい本音が出てしまった。なんだか失礼なことを言ってしまったのではなかろうか?)
薫が心配していると、
「確かにそうかもしれない。
言ってて恥ずかしくなってきた」
とフミが答えた。フミが続けて話す。
「実は、薫君の怪我の様子を見に来たのと、裏山での事件について報告をしにやってきたのだよ。
そしたら、2人が変なことをしているから生徒会副会長として注意ができたものの、頭が真っ白になり、目的を忘れて保健室からでてしまったのだ。
保健室を出たあとに、来た目的を果たせてないと思って戻ってきたのだ」
「すみません」
薫は、軽く頭を下げながらあやまった。フミが目的を忘れさせるような行為をしていたのは、薫達なのだ。
フミは、薫とユイが男女の関係にあると思っているのだろう。
誤解をすぐにでも解きたいが、今話すと間違った方向に行きそうだからやめておこう。
フミは話し出す。
「とりあえず、薫君の体調は、いかがわしい行為をできるほど回復したということなのだな。
あとは、裏山の事件のことだが、犯人は、ナナだ。すでに捕まえてある。自白もしており、校舎の地下にある牢屋へ入れてある。ナナは、炎の鳥を操り、たくさんの負傷者をだしているから、学校としては退学処分、1週間以内に魔界の警察機関がきて引き渡す予定になっている。
ただ、炎の鳥を退治することができていない。ナナを取り返しに戻ってくるかもしれないから、生徒会で対策チームを作り、交代で見張りをしているのだよ」
確かに、裏山に行った時に、ナナだけは傷ついていなかった。だから、ナナが犯人というのは説得力がある。
しかし、ナナが犯人ということに違和感を感じる。それはなぜなのだろうか?
そんなことを薫が考えていると、校庭の方が明るくなった気がした。
外を見ると、炎の鳥がいた。
そして、炎の鳥は飛びながら力をため、攻撃するところを見定めているようだ。
見張りをしている何人もの学生が攻撃魔法を炎の鳥にぶつけている。だが、効果はほとんどないようだ。
炎の鳥は攻撃対象が見つかったのだろうか?勢いをつけて校舎に突っ込んで行く。
フミが呟く。
「ヤバイ。ナナをいるところに炎の鳥が突っ込んで行った。
懸念していたことが現実のものになってしまった……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます