第11話ナナとの昼食。魔王学校 1年目(4月15日。昼)

「はい、あぁ〜ん」

薫は、ナナと昼食をとっていた。

教室では、食べずらかったので校舎の裏で、2人きり(ユイは、友人と一緒に食事をしているらしい)。

ナナは、昨日のお礼としてお弁当を作ってきてくれた。

なんていい娘なのだろう。

どこかの天使(ユイ)とは違う。


ナナが食べさせてくれるのは、正直言って、嬉しい。

だが、周りに誰もいないものの、知り合ってばかりで食べさせてもらうなんて、さすがに恥ずかしい。

「あっ。

いやっ。

自分で食べるから大丈夫だよ」

「そんな。

薫君は、私のことをお嫌いですか?」

「嫌いではないけど……」

「嫌いではないってことは……。

嫌いの反対は、好きってことですね」

ナナは、目をキラキラさせながら話してくる。

しかも、好きですねって言った後は、疑問系でなく、断定だった。

話が噛み合っていない気がする。

どうしよう?

今の状況は、どんな状況なのだろう?

そうこう薫は考える間にも、言われるがまま、されるがままにご飯やおかずが口の中に運ばれて行く。

ナナはとても嬉しそうだ。

そして、昼食の時間はあっという間に終わり、薫はナナと一緒に教室へ戻って行くのだった。

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