第2話 空間法

誰にも会わずに一生生きられる法律が成立した

行動のダイヤ改正だ

ほんとにその通り動けばそこに人がいたのに今はいなくなってる

人が全く感じられないわけではないから寂しくもない

あ、もちろん全く感じない方がいい人はそういうこともできる


破る人が出るんじゃないか?と思ったけど、

 行動学とか意識操作でそういういたずらができなくできるらしい

ほんとに街を歩くのが快適だ

それでいて雑踏や人の息遣いが聞こえる

自分にとって素晴らしい世界だ


でも3カ月もするとなんか味気なくなってきた

他の人はどう思ってるんだろう

でも聞くことができない

大声で聞いてみたけど返事が来なかったんだ

多分、そう思うことを見越して人が遠くにしかいないにされてるんだろう



もしかしてそう思ってるのって結構いるんじゃないか?

俺はいてもたってもいられなくなりいろんなことを試した

さりげなく手紙を忍ばせたり

店にポツンと置いてある俺のためのラーメンを残したり


でもだめだった

何をしても誰にも届かない

いや、届く寸前で何か糸のようなものがぷつりと切れる

そんな感じで1年がたった

発狂しそうだ


でも死ねない

なぜか何かの拍子で助かる

マジか、そういうこともできないのか

病気にもかからなくなったし

絶食しようとしても口に栄養が入ってきてつい喉が反応して飲み込んでしまう



もうだめだ、、、、

いや、発狂すればいいんじゃないか

そうだ、俺は常に怒り、常に爆笑しようと思った


ああ、またいつもの夜だ

やがて目が覚めると俺は線路の上にいた

え、いつもの朝じゃない


向こうからは電車が

死にたくない!!!!

うそだろ!!!


僕は望み通り発狂した


そして・・・

寿命ですのアナウンスとともに僕は誰にも気づかれずに霧散した







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