4.『彼と彼女の天邪鬼恋愛』著: 八坂ハジメ ジャンル: 恋愛(No.010)
本作は「カクヨム甲子園」の【ロングストーリー部門】に参加している作品です。したがって、その要綱も踏まえた上で読んでみました。まあ、基本的には良い物かどうかが第一なんですけど。
で、本題。余り書くとネタバレになってしまうので書けないのですが、非常に王道な作品だという風に感じました。私的な好みではありますが、夏を舞台にしたこういう恋愛って好きなんですよね。多分、受けも良いはず。
その上で本作は、主人公の考えている事(思いというべきでしょうか)を作品の「核」に持ってきています。しかし、何分構造その物が王道なので、「核」にするには正直な所弱いと思います。ネタバレを避けて書くと、四人の結末はある程度読めてしまう。それなのに、その読めてしまう展開を「核」にしてしまっている。これだと作品としての力が弱くなってしまいます。
もし、話の展開を王道にするのであれば、主人公の想いは最後まで隠しておき、最後の最後で明かす。或いは、主人公の想いは思い切って開陳し、ラストの展開に至るまでの心の動きやドラマを「核」に据える。どちらでも大丈夫だとは思いますが、大事なのは王道のシナリオ展開を「読まれる」という前提に立って、読まれた場合、どういう展開が面白いと感じるか。そこを考える事、じゃないかなぁと。
後は、この作品は上記の通り「カクヨム甲子園」の【ロングストーリー部門】に応募されています。それを頭に入れた上で見てみると、もしかしたら文字数が少なくて苦戦したのではないでしょうか(違ったら済みません)。
確かに本作は、ストーリー展開だけを並べていくと、そこまで文字数の掛かるものではありません。しかし、その文字数で4人のキャラクター全てに対して、満遍なく触れようとしているので、各々に対する思い入れみたいなものがやや薄くなっています。
なので、メインとなる二人に対して(現時点でもそこそこスポットは当たっていますが)より、スポットを当てた上で、各人が1キャラクターとして立つような描写をもっと入れていくと良いのではないかなぁと思います。具体的な所で言うと、主人公の心情変化と、その理由とか、でしょうか。現時点でまだ一万字の余裕があるので、ある程度、キャラクターのバックボーンは付け足せると思いますし。
いずれにしても、本作は王道な作品です。王道というのは勿論多くの人間に支持されてきたからこそ王道なのですが、その反面、話を読むのは容易になります。
なので、ストーリー展開を王道にする場合は、その王道な展開を最後の方まで見せないか、王道を見せたうえで、キャラクターで勝負する、という形を取る事が重要かなぁと思います。
何だか纏まりが無くて済みません。ネタバレをしない様にしながらアドバイスするのが難しくて。
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