「私」は知らないあとがき 1

全国ツアーの最終日の、あの夜。

黒い車の中での会話。


「アニキ、いいんですか。」

黒づくめの盾の一人が話しかける。

「彼女はな、」

黒づくめの彼が答える。

「カタギもカタギ、これからますますスターになる人だぞ。

オレなんかと関係があるってことになってみろ。

迷惑でしかないだろ。」

黒づくめの盾たちは黙っていた。

すると黒づくめの彼がつぶやいた。

「竜とヘビはよく似ているよな。」

「何ですか?アニキ?」

「いや、何でもない。」

黒い車は、黒い闇に消えていった。

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