第3話ティナ=マニエル 2
秘書のルシアより、依頼内容を聞いた二人は銀竜酒家へと戻ってきた。
「また、面倒そうな依頼ねぇ‥‥‥」
「仕事を選んでる場合じゃ無いですが、確かに」
珍しく依頼に関してティナがジュディに
「‥‥‥前から気になってたんですが‥‥‥」
客席に
「何で、
不思議そうに顔を
「あー、ルーニアの言いたい事は解る‥‥‥ただ、これはジュディさんのせいなんだよね」
「え? そうなんですかジュディさん?」
急に話を振られたジュディは
「‥‥‥私のせいって言うか、根本的な原因はメイシンさんなのよ?」
「ほぅ、アタシが何だって? ジュディ?」
声が聞こえた方をジュディが慌てて振り返ると、ルーニアの横にボサボサのショートボブで、気だるげな目をしながらキセルを吹かせる、
「め、メイシンさん‥‥‥」
顔色を真っ青にしたジュディが
「アタシは、アンタの
そう言うと、キセルから口を離してふわりと煙を
「それで、何があったんです?」
ルーニアは好奇心に駆かられてメイシンに聞いた。
「あぁ、あれはコイツがまだフューゾルに来たばかりの時に‥‥‥」
「あーっ! あーっ! その話はまた今度! 私からルーニアちゃんに話すから! ねっ?」
慌ててメイシンの話を
「えっ? ええと‥‥‥あの、はい‥‥‥」
余りの
「まあいい、それよりアンタ等市長からどんな依頼を受けたんだい?」
ジュディは
「それが、実はですね‥‥‥」
ティナはメイシンとルーニアに依頼の内容を話した。
ーーーーー
メイシンとルーニアに依頼内容を話した
二人が洞窟に来てそろそろ六時間を
「ジュディさんも探してくださいよ! 爪ばっかり
先程から、爪弄りを繰り返しその場から動かないジュディにティナが言う。
「ほら、私って
爪先をヒラヒラとさせ、それを見ながらジュディは言った。
「土いじりみたいな作業はティナちゃんがするべきだと思うの」
「あ!?」
こめかみに青筋をたてジュディを
「と、言うか何なのよこの依頼は‥‥‥」
ジュディは
「知りませんよそんなの!」
半ばヤケクソに
「偉い人の子供が、遠足に来たときに落としたお気に入りの石を探せとか‥‥‥」
そう言うと、ティナは依頼書を取りだし絵の描かれている部分を見つめる。
「解るわけないでしょ! 何の
半泣きになりながら石と絵を見比みくらべるティナ。
「あー、もうそこら辺の
探しもしないジュディが面倒臭そうに言う。
「コレ! 絶対に悪意を持ったロゼッタさんの報復ですよね!?」
「私に聞かれても‥‥‥」
怒りをぶつけられたジュディが
「間違えないです! ジュディさんが余りにも依頼をサボるから、始末書が山のようになってるってこの前言ってましたから! て、根本はジュディさんのせいじゃないですか、よく考えたら!?」
そう言って手元の石をジュディに投げ出した。
「ちょっ! ティナちゃん危なっ!?」
最小限の動きで
「ちっ! 当たれぇえぇ!」
全く当たらない石に、更に怒りを
「ティナちゃんキャラ
「何ですか!?」
ジュディの制止に動きを止めるティナ。
「今手に持ってる石、もしかして‥‥‥」
「へ?」
そう言って、手元の石を依頼書の絵と見比べる。
「‥‥‥同じ形、ですね」
「だよね、やっぱり‥‥‥」
無理かと思われる物も案外見つかるものだ。
ーーーーー
依頼を達成した二人は、さっそく市庁舎へ来ていた。
「‥‥‥あったの?」
「普段は全く役に立たないのに、こんな訳の解らない依頼の時だけ‥‥‥」
「こんな訳の解らない依頼って‥‥‥」
ティナは、ロゼッタに対たいする自分の考えが
「まぁいいわ‥‥‥後で一階の受付で依頼料受け取っておいて」
どうでもいい、と言った風に手をヒラヒラとさせて言った。
「なんか
何故か疲れた
「それよりも、アンタ達にもう一つ追加で依頼をしたいんだけど時間ある?」
「面倒臭いからパスで」
「ちょっ! ロゼッタさん、ジュディさんはスルーしてください!」
ティナが
「あー、うん、ティナちゃんに聞いてもらうわ‥‥‥」
「仲間はずれとか
ジュディが
そんなジュディを無視して、ロゼッタはティナに話始めた。
「隣の国のゴバ、あるじゃない? 最近あの国との国境で妙な二人組が
手元の資料から一枚の紙を取りだしヒラヒラとさせる。
「妙な二人組、ですか?」
ティナの質問に、紙をテーブルに置き直し答える。
「そう、変わった服を着た老人と神官衣を着た子供らしいんだけどね、国境を通る人達に変な質問をするらしいの」
そう言うと、ロゼッタはハーブティーを一口
「変な質問ですか、その二人組で他に実害とかはでてないんですか?」
眉根をしかめて聞く。
「んー、質問するだけらしいんだけど‥‥‥ほら、ゴバとフューゾルってあんまり友好的じゃないじゃない?」
「そうね」
ジュディが会話に割り込んできたが無視する二人。
「だから、あの辺りにあんまり妙なのが居ると色々と面倒でね」
はぁ、と
「何とかその二人組を
「‥‥‥平和的にって事ですか?」
ティナは
「基本的にはそれで、面倒になりそうなら実力行使でいいから」
「ふぅん、ロゼッタがそう言うなんて珍しいわね?」
またジュディが割り込んできた。
「仕方ないでしょ‥‥‥
無視をしきれず、ジュディに返すロゼッタ。
「まぁ、良いんじゃないティナちゃん、私受けても良いわよ?」
「ジュディさんは実力行使が出来て楽そうだから乗り気なんですよね‥‥‥そうですよね?」
そう切り返したティナに、ジュディはニコニコと笑顔だけで返事を返す。
「はぁ‥‥‥解りました、その依頼引き受けます」
「良かった! それじゃ今から向かってね! 乗り合い馬車手配しといたから、予約してある国境の
「なんか
まるで引き受ける事を
「まあまあ、良いじゃない、依頼料
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