第16話めっせーじ、しょくどうにて。

大学に到着した俺が、まず始めにすること。トイレ。じゃなくて、もちろんトイレにも行くけど、その後にすることはキロが大学に来ているかどうかの確認だ。とりあえず、いつも連絡して、返信が返ってくれば起きてはいる。返信が来なければ、寝ている。まぁ、そんな感じでキロの安否確認を行う。

あいつ、頭はそこそこ良いのに、受験日に寝坊して浪人してるからなぁ……。大学でも気づいたときには、単位を落としてしまっているということが起こりかねないので、いつも気をつけている。俺が。

とりあえず、キロに『おきてるか?』って、メッセージを送信。まだ家を出ていなくても、キロの家からなら、ギリギリ遅刻が付くかつかないかの時刻。そーいや、一回生の時も、あいつ単位ギリギリだったんだよなぁ……。今年は余裕をもって進級していただきたい。

キロからの返信を待つ時間、俺は大学内の食堂の席に、自由に持ってって良い緑茶をコップに注いで座る。もー、オサレは少なくとも、今日1日は目指さない。なんか見られるとハズいし。

ほどなくして、キロからの返信があった。

『おきてるよー(*´∀`) もーすぐ大学はいりまする(´ 3`)』

はい。キロちゃんは、よく顔文字とか使う人なんです。普段の話口調や、雰囲気とのギャップに、俺もはじめのころは驚いたが、今ではもう、すっかりなれきってきってしまっている。むしろ、顔文字なしできたら、体調が悪いんじゃないかとか心配しちゃうレベル。

とりあえず、キロが今日も遅刻すらつけずに大学に来るのは良かった。今日は、キロも俺も、二限からなので、朝の時間の余裕はあるし、講義は別々だけど、ひと安心。

『わーい\(^^)/』

俺も、キロを真似て顔文字つけて返信。そして、数秒でキロからの返信がくる。

今日は、はぇーな。

『わーい(/≧◇≦\)』

……。うん。よくわかんねー。どーゆー顔文字なのか。とりあえず、落ち着くために緑茶。あ、あんまり美味しくない。この食堂の緑茶は、まぁ、料理そのものもだが、全般的に、たいして美味しくないものが揃っている。

まぁ、キロが今日の講義に遅れなかったってことで、マズイ緑茶も許すことにしよう。

まだ、講義が始まるまで15分くらいある。ってことは、俺たちの前に講義を受けてるやつらの休憩時間にもなってないってことで、必然、食堂は静かになっていて、そこそこ居心地は良い。緑茶は美味しくないけど。開始10分前には、講義室に向かおうと決め、あと5分のんびり出来ることを確認して、キロに到着したら教えてという内容のメッセージを送信した。

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